そういえば(思い出)

高校生の頃、近所に飲食店(ラーメン屋さん)が開店した。物珍しさもあって行ってみると、店内は満員。で、注文して待っていると、店主の所に電話。「おおっ、久しぶりだな。そっちはどうだ?」と話している。どうやら知人のようだ。「俺? おお、脱サラしてラーメン屋はじめたけど、ばっちりうまくいってるよ。そっちもがんばれよ」。へぇ、成功してるんだ。

その数分後、味のしないスープ(美味しいとか不味いとかいう話ではなく、ホントに味がしない“色つきの白湯”)に浮かぶ、のびたラーメンが出てくる。あのさぁ、慢心しない方がいいよ。

案の定、開店当初の物珍しさが過ぎ去る頃、閑古鳥が鳴くようになった。その数ヶ月後には閉店。商店街の噂では、開業資金を回収できずに夜逃げをしたという。