自宅ゲーム会

昨年12月、今年1月と開催した「18xx」会も今日で3回目。ありがたいことに、毎月同じメンバーの方がつきあって下さっている。今日も予定通りの11時にPHYさん、ヴァイスさん、せみさん、atogさんが到着。さっそくスタートした。
 今回は、atogさんとヴァイスさんが入手した「18EU」「1830-Coal Field Variant」「1861」がプレイ候補になった。相談の結果、「18EU」から遊び始めることになった。

  • 18EU(18EU):初プレイ/5人

http://www.gamers-jp.com/playgame/db_gamea.php?game_id=2582

 18EUの舞台は、ヨーロッパ中央部。ベルリン−パリが東西、アントワープマルセイユが南北……といえば、大体の感覚はイメージできるだろうか。ロンドンは収益最大の盤外都市として登場する。
 18EUの特徴は、登場する会社の構成だ。1830でいう個人会社(Private Company)はなく、小規模会社(Minor Company)なるものが登場する。小規模会社の機能と働きは、1890や1897における同名の会社とほぼ同じだ。線路の敷設や列車保有能力を持つ一方で、発行株式は1つのみだったり、強制&半配当という制限がある。18EUには全部で15の小規模会社が登場する。ゲームは(個人会社ではなく)小規模会社を競りで入手する「オープニングビッド」から始まる。
 ゲームが進むと、この小規模会社をベースに公共会社を設立することができるようになり、公共会社化や合併が起こっていく。公共会社は独自の本拠地を持たず、基になった小規模会社の路線上にある大都市か、どの会社のトークンも置いていない都市が本拠地になる。いわば架空会社とも言える存在で、名前を覚える必要性は薄い。そのため今回も「ニューヨークセントラル」とか「パッカーズ」とか「ゲジゲジ」「ショッカー」「ファイルシステム」「青ショッカー」「レッズ」「黄色」「アイス」と呼ばれていた(苦笑)。
 公共会社設立後の進行は、通常の18xxと同じ。プレイヤー破産によるゲーム終了がない(破産者のみ脱落する)ことが、やや特徴といえるだろうか。

 11時30分頃からの初プレイは、せみさん→私→ヴァイスさん→PHYさん→atogさんの順。全員初プレイのため、最初の小規模会社の競りは、どこが有利なのかを探し出すのに必死となる。各自の思惑が交錯しつつ競りは進んで、最終的にはきれいに3社ずつ所有することになった。
 せみさんは6、8、15と入手。カギになる大都市ウィーンを押さえ、オーストリア近辺を手厚くカバーしつつ、残りの二大都市ベルリンとパリも視野に入れた位置だ。
 私は競りに失敗し、4、9、11の3社。ベルリン、ウィーンに軸足を置いたが、いずれの路線も拡張性に乏しく、パリは遠い。
 ヴァイスさんは7、13、14。大都市はベルリンのみしか押さえていないが、ボード全体を北東から南西にかけて結ぶ大規模基幹線の敷設が見える配置。ただ、初プレイのこの時点ではその強みは見えづらく、「手元の資金を多く残そうとして、競りに失敗したのでは?」という空気もあった。
 PHYさんは1、3、5と、行動順の早い会社を確保する。1、3は、いずれもパリを起点とする会社。初期状態で40もの収入がある都市を2社で押さえているということは、運行ラウンドごとに最低でも80の収入があることになる(半配当でも)。この時点では、かなり有利に見えた。
 atogさんは2、10、12。アムステルダムロッテルダムと、北西の大都市を押さえて、PHYさんとヴァイスさんの北上を阻む展開か。もちろん、両者(あるいは一方)と協調していく手もありそう。南方に孤立した感じのある10をどう使うかがカギになりそうだ。

 序盤は各自が自社の線路を延伸し、少しずつ収益を貯めていく静かな展開。パリ−ロンドン間のドル箱路線を結んだPHYさんが収入で有利……と思いきや、ミュンヘンストラスブール間をつなぐヴァイスさんの方が1度あたりの配当が多いという意外な結果に。
 こうしてPHYさんとヴァイスさんが少しずつ抜け出して、ついに公共会社が設立されるときがきた。PHYさんは3をベースにパリへ「セントラル」を、ヴァイスさんは7をベースにベルリンに「レッズ」を、それぞれ設立。周辺の小規模会社を巻き込んで、いずれも大きな会社となった。
 この流れに乗り遅れるとまずいので、私も11をベースにウィーンを本拠地にする「パッカーズ」を設立した。問題はこの後だった。このままでは「パッカーズ」の広がる範囲は狭く、将来性が期待できない。ヴェニスを本拠地とする5を持つPHYさんが「パッカーズ」に合流するかどうか、その一点がカギだった。乗ってもらえれば「パッカーズ」は安泰になり、勝利も見えてくる。……大変悩んだ末に、PHYさんは合流を選択。これで「パッカーズ」は優良会社化できた。

 その後は、各自が1社ずつ公共会社を持ち、運行を始めるようになった。それぞれの会社は順調に収益をあげ、プレイヤーの手元に資金が貯まって……その時がやってきた。運命のストックラウンドだ。
 この時点での(恐らく)トップは、ドイツ南西部に確固たる路線を築いている「レッズ」のヴァイスさん。ボード全体の動脈にあたる路線となっているため、各プレイヤーも存在を無視できず、表だって喧嘩を売る(トークンで邪魔する、タイルでひねる、など)剛毅な者はない。これに続くのが、「ショッカー」でバルカン半島を押さえているせみさんと、「セントラル」「でフランス国内を牛耳るPHYさんだった。
 私は「パッカーズ」を優良企業化することに成功したが、ヴァイスさんには収益力で圧倒的な差をつけられてしまっていた。株価勝負に出るためには、「パッカーズ」で無配を行うことはできない。とはいえ、そろそろ会社の資本金も苦しくなっている。ややお荷物になりかかっている4をベースに公共会社を設立し、「パッカーズ」のサポートをさせる必要があった。
 しかーし、ここで一つ問題が。この時点で残っている公共会社は「青ショッカー」と「ファイルシステム」「アイス」の3社。プライオリティはヴァイスさんの手元にあり、ヴァイスさん→PHYさん→atogさん→せみさんと、4人が終わってからようやく私の順番。4人中の2人が公共会社設立をあきらめてくれなければ設立できないわけで、かなり厳しいところだった。こうなれば、じたばたしても仕方がない。『運を天に任せて、念仏を唱える(by Gさん)』ことにした。

 願いは叶えられた。

 二度の分岐点を、自分にとって最高の状態で乗り切れたので、後は勝利に向かって走るのみ。細かい手続きで「まぎれる」ことがないように細心の注意を払って進めていく。例によってうっかりミスもいくつかあり、ヒヤリとすることも何度か。それでも、うまく走りきって、2位のせみさんに230の差で勝つことができた。

 インストプレイを除けば、18xx系初勝利! 素直に嬉しい。

  • 18EU(18EU):2回目/5人

http://www.gamers-jp.com/playgame/db_gamea.php?game_id=2582

 18EUがあまりにも面白かったので(勝てたこともあったしね)、無理を言って「おかわり」をリクエスト。他の皆さんも同意して下さって(大人だなぁ、皆さん)、再プレイできることになった。

 今度の席順は、せみさん→PHYさん→私→ヴァイスさん→atogさん。一度目のプレイで、各小規模会社への評価は、プレイヤーそれぞれが行っている。そのため、オープニングビッドは熱いものになった。
 最初に競りかけられたのは、ミュンヘンの13。先ほどと同じく、ヴァイスさんが110で手に入れる。続いてミラノの10をPHYさんが、アムステルダムの12を私が……という具合に次々と分譲されていった。atogさんは終盤までパスをして、手持ちの資金を温存する作戦のようだ。
 オープニングビッドが終わった時点での各自の手持ち小規模会社は、やはり3社ずつ。せみさんは1、5、8と、ボード南側を押さえに行く。PHYさんは「トンネルを掘ってつなぐのがロマン」と言いつつ6、10、14を入手。ニュルンベルグ−ミラノをどう接続するかがカギになりそう。私は最初から決めていたとおり、7、9、12と北部を押さえる作戦。ヴァイスさんは2、4、13。ブリュッセルミュンヘンドレスデン。うーん、ボード中央を東西に貫く基幹線ができそうだ。資金温存のatogさんは、パリの3、ヴェニスの5、リヨンの15と獲得して、残ったお金が155。他のプレイヤーが0〜40なのと比べると雲泥の差。これは公共会社が早く設立される展開になりそうだ。

 さすがに2回目とあって、ゲームの進行は非常に早い。私はヴァイスさんと協調して北部路線を築いていく。二人合わせると2、4、7、9、12と5社もあるので、あっという間に基盤となる路線の敷設が終わった。となれば、今度は公共会社だ。
 ヴァイスさんは手持ちの3社全部を合併させて再び「レッズ」を設立した。ドイツ全土を貫通する長大な路線だ。しかもパリへの接続もほぼ確実な状態。トンネルを掘ると宣言したPHYさんと協調すれば、ローマへの道も見えそうだ。
 対抗するために、私は9をベースにした「ファイルシステム」を設立。さらに7も合流させ、ベルリンを本拠地にした大規模会社にする。ヴァイスさんと同じく12まで合流させて一大会社にしようとも思ったが、12の収入は地味ながら多かったので小規模会社のまま運行を続けることにした。結果的に考えると、これは正解だったようだ。

 その後は、大きな波乱もなく、突発的なアクシデントもなく、表面上は淡々とゲームが続いていく(もちろん、各プレイヤーの胸には複雑な思惑があったに違いない)。私は残っていた12をベースに「セントラル」を設立。今度も2社体制を築くことができた。しかも、両社ともに運良く配当会社にできた。そのため、今度も最後まで一気に突っ走ることができた。ゲーム終了時の資産は7090。手持ち資金ではatogさんに約180も負けたが、株価で240ほど勝っていたので最終的には51の差で連勝できた。嬉しいなぁ。

  • 終了後の感想など
 今日も楽しく遊ぶことができた。たいしたおかまいもしないのに、いつも遊んで下さる皆さんに感謝したい。今度から、少しは「食」の手配に気を遣うようにしなくちゃ。また遊んで下さい>皆さん。

 18EUについての感想。このゲームは、「鉄道会社経営ゲーム」なのだと感じた。プレイヤーの手元には最初から会社が(ほぼ確実に複数)あり、序盤から経営が楽しめるようになっている。さらに、後半になればその会社をベースに公共会社を設立できる。そのため、すべてのプレイヤーが自社(他プレイヤーの協力なしで設立した公共会社のこと)を持つ状況が当然のように発生する。さらに「半配当でも株価が上がる(可能性が高い)」こともあって、会社経営は厳しくなく、自社を手放す必要は感じられない。となれば、ストックラウンドでの動きは鈍いわけで、「株式投資ゲーム」としての色彩は薄くなる。
 私は「複数の候補から、最適なものを見極め、選び出す」能力に欠けているため、株式投資ゲームは下手だ。一方で、ネットワークが広がっていく拡大再生産タイプのゲームは大好きだし、ある程度場数も踏んでいると思う。したがって、後者の要素の濃い18EUは、かなり好みにあったタイトルと言える。そのときは迷ったが、発注しておいて正解だった。早く自分の分のセットが到着して欲しいと思っている。