キャンペーン開始!(Up Front)

今夜から、キャンペーンが始まる。やっと、対戦前の部隊編成を終えたところ。241ポイントって、絶妙だねぇ。以下、ようやく書き終わった対戦記をアップ。長いのは許してね。


1)アップフロント・シナリオA/M(Up Front-Scenario A/M)/22回目/2人/勝利

キャンペーンの初回は、シナリオA/M。これまで何度も対戦した「パトロール」だ。まずはよく知っているシナリオで、部隊編成の経験を積んでおきたい……という考えで、これを選んでみた。


2)事前の作戦計画

Up Frontには、実は複数の勝利条件がある。1つ目は「シナリオに規定された」勝利条件。今回のシナリオA/Mなら「距離4の位置に、ピン状態でない兵士が4人以上おり、さらに射撃力を低減する地形に入っている」ことが条件。以後、これを「シナリオ条件」と呼ぶ。その他の二つは、全シナリオ共通の勝利条件だ。まず、「相手分隊の崩壊」。日本軍分隊の75%以上を、KIAか潰走にすればOK。以後、これを「崩壊条件」と呼ぶ。次は、「勝利ポイントの獲得」による勝利。詳細は省くが、簡単に言うと「前進している兵士数×距離チットの数字」で求めるポイントを、相手より多く集めよう……というもの。シナリオに規定された制限時間を満了したときに、どれだけポイントを獲得しているかが問題になる。以後、これを「ポイント条件」と呼ぶ。
さらに、キャンペーンゲームにはもう一つの勝利条件がある。これは正確に言うと敗北条件で、「部隊を距離0より後退させ、撤退を宣言」することで、シナリオにおける勝利を相手に渡すことが可能だ。


以上4つの条件のうち、どれを目指すか。シナリオ、担当陣営によって、目指しやすい勝利条件は変わってくる。イギリス軍の場合、「ポイント条件」→「崩壊条件」→「シナリオ条件」の順に達成しやすいように感じている。序盤で少し前進して有効な地形に籠もる。その状態で日本軍に対する射程距離/射撃力の優位性を活かしてアウトレンジからの射撃を行い、日本軍の足を止め、運が良ければ分隊を崩壊に追い込む……というのがよさそうだ。いち早く有利な地形に籠もってしまえば焦りを誘い、無謀な移動を強要できる可能性がある。そうなれば、射撃力の高さを活かして何とか分隊崩壊ができるかも、という作戦だ。正直言って、モラル/パニック値の高い日本軍なので完全に分隊を崩壊させるのは難しいけれど。


今回のシナリオでは、上の考え方に基づいて「ポイント条件」の達成を主目的とした。残りの条件は副次的、あるいは日本軍の狙いをそらす欺瞞として使おうと考えている。兵士の温存をはかるため、緊急時には撤退もアリ、というスタンスだ。



3)部隊編成の考え方

シナリオA/Mでプレイヤーに与えられているDYOポイントは241。標準の部隊編成である#1〜#10の兵士が持つDYOポイントを合計すると242で、制限を超えてしまう。つまり、このシナリオをDYOを採用してプレイするなら、必ず部隊編成を調整しなくてはいけないわけだ。
編成の方針には、いろいろなものがある。高モラル/パニック値を持つ少数精鋭で攻める手もあるだろうし、人数を増やしてグループ編成の自由度を高める方法もあるだろう。今回は、

  • a)イギリス軍に与えられた射撃カードの優位性を活かすこと
  • b)グループ数を増やし、十字砲火の可能性を高めること
  • c)員数の多い日本軍に対抗するため、人数を増やしたいこと
  • d)キャンペーン後半までに、兵士を鍛えておきたいこと

などの理由から、人数確保を重視した編成を行うことにした。採用したのは#2、#4-10、12、19、24-26の13名に加えて「自分の分身」となるライフルを装備した二等兵。全部で14名となっている。SLは#2のBarnard伍長(モラル4/パニック5:以下同)、ASLは#13のPalmer一等兵(4/5)だ。


少し工夫を凝らしたのは、#26のOldaker二等兵を選抜していること。彼の持つATR(Anti Tank Rifle:対戦車ライフル)は、このシナリオでは必須の武器ではない。しかし、後半になればAFVの登場するシナリオもあるわけで、そのときまでに彼の能力を鍛えることが目的。また、ATRは「射撃するグループの火力に、常に1を加える」能力もある。イギリス軍が持つ射程範囲/火力の優位性を、さらに高める効果も期待している。
この部隊編成で不安なのは、全体的なモラル/パニック値の低さ。5/6という高い値を持つのは#24のWhitesell二等兵のみ。イギリス軍の中でも最低モラル/パニック値の#7 Cleary二等兵と$19 Cole二等兵もいる。いずれも1/2。彼らをどのグループに配置するかは悩みそうだ。


4)日本軍の編成

対戦相手カエルさんは、火力と人数のバランスが取れた編成。#1、3-7、9-11、14、18、20、26の13名に、自分の分身となるライフル装備の二等兵を加えた14人。これを以下のように分配した3グループ構成となっている。

  • Aグループ:#1-#20-#4-#18-#6
  • Bグループ:#3-#26-#9-P
  • Cグループ:#14-#7-#11-#10-#5

SLは#1(Okimoto軍曹)、ASLは#3(Yoruba伍長)。Aグループに高モラル/パニック値の兵士を集めて「機動グループ」とする意図が見える。解せないのはBとC。火力グループとしてまとめず、二つに分割してある。Bグループは「固定位置から射撃をするグループ」で、Cは「機動も視野に入れた支援グループ」か。


5)スタート時のグループ編成

日本軍の3グループに対抗するため、以下の通りに編成した。

Aグループ(#24-#2-#5-#6)
モラル/パニック値が高めの兵士を集め、“機動”グループっぽい編成にしてみた。実際にはほとんど前進せず、相対距離1でのアウトレンジ射撃に専念する予定。イギリス軍がどの勝利条件を目指しているかを欺瞞するグループといえる。
Bグループ(#25-#9-#10-pmnj-#12)
勝負の要となる“火力”グループ。相対距離0で火力2、相対距離1で火力7になる。これで足止めがどこまでできるかがカギ。
Cグループ(#4-#8-#26)
“添え物”のように見せておいて、ジワジワと前進を狙う“疑似機動”グループ。ATRを入れているので、相対距離0でも1火力あるのがポイント(のつもり)。
Dグループ(#7-#19)
完全に“添え物”のグループ。横移動、場合によっては後退して堅い地形に入り、さらに塹壕を掘って立てこもる。経験値を上げることだけが目的。

6)序盤戦の攻防(1デッキ目)

以前の対戦では、高モラル/パニック値を過信した突撃を行い、分隊崩壊した日本軍。今回はその反省からか、中央のBグループが支援射撃を行ってイギリス軍の頭を抑え、その間にAグループが前進して来るという作戦に出た。
しかし、アウトレンジからの撃ち合いでは、イギリス軍に分がある。相対距離1に近づいたところで、英Aグループが日Aグループに対して低射撃で攻撃。この射撃は隠蔽カードで凌いだ日Aグループだったが、連続して英Bグループから大火力での射撃。さすがに手持ちの隠蔽カードは切れていたようで、#20のShoburo二等兵がピン状態に。さらに次の英軍手番でも同じような十字射撃を浴びせると、Shoburo二等兵はあえなく戦死(KIA)する。Okimoto軍曹と同等のモラル/パニック値を持つ(6/6)Shoburoを排除できたのは、日本軍にとって大きな痛手のはずだ。
かさにかかって攻め立てる英軍は、日Aグループの#6(Fujiyama二等兵)もKIAに追い込む。日本軍は、これでAグループのみでシナリオ条件を満たすことは不可能になった。


半壊したAグループを(距離1にある)建物に籠もらせた日本軍は、Cグループの機動を開始した。まず「グループ側方移送」を使って、グループDの位置に移動。そして涸れ谷を経由して、距離2まで詰めてくる。
日Dグループに効果的な射撃が行えるのは、英C/Dグループのみ。しかし、いずれもたいした火力を持っていないため、効果的な一撃を食らわせることができない。手をこまねいているうちに、1デッキ目が終了してしまった。


現在の勝利ポイント
日本軍:3(Aグループ)+10(Dグループ)
イギリス軍:4(KIA×2)


7)中盤戦の攻防(2デッキ目)

日Dグループの前進は阻みたいが、直接アプローチできる英C/Dグループは火力が足りない。ならば、間接アプローチで行くしかない。英A/Bグループを前進させ、日A/Bグループを叩こう。特に日Bグループ。LMG(Light Machine Gun)を含む支援勢力を沈黙させれば、英Aグループの前進は確実。相手が焦ってDグループをさらに前進させたところで、英B/Cグループで十字射撃をすれば、日Dグループも崩壊するに違いない。


その方針の下、英Bグループが距離1へ前進。日Bグループからの射撃を受けるが、この距離ならLMGのみしか射程内に収められない。特に問題はなく、建物内に拠点を確保できた。
次は……と、英Aグループを距離2へ前進させたところで、日本軍の猛反撃を受ける。相対距離3になった日Aグループ、相対距離2になった日Bグループからの激しい十字射撃で、#5のTresham二等兵が戦死(KIA)。残りの3人もピン状態に追い込まれた。
SLを勤める#2(Barnard伍長)がピン状態になったので、分隊の指揮系統が混乱する(手持ち札制限が1枚減る)。これはまずい。這々の体で繁みに駆け込んだが、回復が間に合わない。
さらに激しい射撃を繰り返す日本軍。このままでは、SLの戦死もあり得る。次戦以降を考えると、ここで無理はできない。せっかく確保した拠点を諦めるのは悔しかったが、英Aグループは後退して距離1まで逃げ出した。日Aグループとの相対距離は2なので射撃を受ける可能性はあるが、日Bグループとの距離を開け、高火力での十字射撃を避ける。


一方、英Bグループの射撃は順調。#12(Gilfallin一等兵)のLMGは日Bグループの行動を鎮圧していく。この戦いの前にASLに任命したことが、彼のやる気に火を付けたか(ウソ)。ときたま手に入る低火力の射撃カードは英Cグループに使い、#26(Oldaker一等兵)の持つATRで射撃。さらに後退後に態勢を立て直した英Aグループもピンポイントで射撃していく。
取りうる行動の幅が狭い日本軍にとっては、大火力・低頻度での射撃よりも、低火力・高頻度の射撃の方が怖い。虎の子の隠蔽カードを、どのタイミングで使えばいいのかに苦慮するためだ。何度も繰り返される射撃に備えて隠蔽カードを数多く保持すれば、移動の足は止まるし射撃もできなくなる。また、ピン状態になる可能性も考慮すると、回復カードもほしい。こうやって手札の自由度を縛られるのが、日本軍にとっては悪夢のはず。


高頻度の射撃を加えるうちに、さしもの日本軍も疲弊してきたようだ。英A/Bグループからの射撃により、#9(Fuchida二等兵)、#26(Sakata二等兵)が相次いで潰走し、戦場を離脱。これで、日Bグループの火力はかなり減少した。問題のLMGを沈黙させるには至っていないが、まずまず、といったところか。


ただ、日Bグループに気を取られている(アクションカードを消費している)間隙を縫って、日Dグループは距離3まで前進。しかも、前進して距離4まで詰めてきた。このまま有効な地形に入られてしまえば、日本軍の勝利が確定する。このときに備えて手札にずっと保持していた(我ながら、よーやるわ)2枚の河川カードのうち1枚を使用して足止め。いまのうちに何とかしなくてはならない。


現在の勝利ポイント
日本軍:6(Aグループ)+2(KIA×1)
イギリス軍:3(Aグループ)+5(Bグループ)+4(KIA×2)+2(ROUT×2)


8)終盤戦の攻防(3デッキ目)

距離4まで前進した日本軍のDグループ。河川で足止めをしたが、FORD(渡河移動)カードであっさりクリア。次の日本軍の手番で地形に入れば勝利は確定だ。
とはいえ、こちらのBグループとの相対距離は4。手元に大火力の射撃カードがあれば、一気に崩壊に持ち込める可能性はある。
日本軍は地形の、イギリス軍は射撃の、それぞれ目的のカードを引くための手番が数回続く。奇妙な静寂。しかし、内心はドキドキ。


最初に幸運が巡ってきたのはイギリス軍だった。射撃力7、8に加えて2や3のカードを引き、日Dグループに十字射撃の洗礼を浴びせていく。最初の数回は隠蔽カードで凌いだ日本軍だったが、少しずつ兵士がピン状態に。ようやく建物に籠もった時は、5人中3人がピン……という状態だった。
回復カードが渡ってしまえば、勝利できることには変わらない。しかし、回復カードの巡りよりもイギリス軍の射撃頻度の方が圧倒的に高い。英B/Cに加えて、“添え物”のはずの英Dグループからも射撃を受け、ピン状態から回復できない日本軍。奮戦の甲斐なく、#11(Yumani二等兵)、#5(Togami二等兵)の二人が戦死。残りの3人が回復したときには、勝利条件を満たせなくなってしまっていた。


こうして、日本軍右翼での射撃戦が一段落したところで、左翼に異常事態が発生。今度は、射撃カードの幸運が日本側に訪れたようで、日A/Bグループから英Aグループへの射撃が繰り返される。
前述したように、高頻度の射撃は怖い。手札の最大枚数は日本軍より1枚多いイギリス軍だが、隠蔽カード/回復カードが尽きてしまう。日Dグループに気持ちが集中していたので、射撃カードを引くために両カードを捨てていたのも災いした。なんと、英Aグループの#24(Whitesell二等兵)が戦死してしまう。分隊中でもっとも高いモラル/パニック値を持つ(5/6)彼の戦死で、Aグループ全体に動揺が走る。この機をついて繰り出された狙撃兵からの射撃で、英Aグループの#2(Barnard伍長)まで戦死! SLを失う、という最悪の事態を招いてしまった。


ここで日本軍が再び前進を開始。イギリス軍の手札回転が悪いことを見て取り、Dを除く全グループを前進させてきた。しかし、イギリス軍もASLのGilfallin一等兵が部隊を立て直す。前進してくる日本軍に連続して銃弾を浴びせ、Dグループの#7(Asanti二等兵)、#14(Yorido二等兵)、#10(Korata二等兵)をKIAに追い込み、Dグループを壊滅状態に追い込む。


これで勝敗は決した……と安堵のため息をもらすイギリス軍。だが、そんな心の隙をついて最後の不幸が襲ってきた。日Bグループが最後の一弾として放ったLMGからの銃弾が、pmnj二等兵の頭部を直撃! これが致命傷となってKIA。嗚呼。


現在の勝利ポイント
日本軍:6(Aグループ)+3(Bグループ)+8(KIA×4)
イギリス軍:1(Aグループ)+3(Bグループ)+3(Cグループ)+14(KIA×7)+2(ROUT×2)



9)対戦の結末

「シナリオ条件」「崩壊条件」を満たした側はなく、3デッキ終了時の「ポイント条件」で勝敗を判定した。

  • 日本軍:17ポイント
  • イギリス軍:23ポイント

で、今回のシナリオはイギリス軍が勝利した。
思ったよりも差が付いていない、という印象。イギリス軍はほとんど前進せず、KIAとROUTで勝利点を稼いだからか。


キャンペーンにおける勝利ポイントは

  • 日本軍:−7(勝利点0/KIA×7)
  • イギリス軍:8(勝利点12/KIA×4)

となっている。


10)部隊状況のまとめ

生き延びた兵士は「気力(Elan)」ポイントを稼いだものの、いずれも3(シナリオ勝利の1と、ピン状態でなかったことの2)。したがって、モラル/パニック値が高まった兵士はいない。次シナリオを無事に生き延びることが重要になりそうだ。
「自分の分身」であるpmnj二等兵には、ヒーローカードを二回も使い、気力ポイントを稼がせていたがあえなく戦死。うむ、やはり新米の二等兵にこの戦場は厳しかったらしい。次シナリオに登場させるかどうかは微妙なところ。キャンペーン勝利ポイントも失ってしまうしね。


一方の日本軍は、なんとOkimoto軍曹が気力ポイントを5獲得。ただでさえ高いパニック値が7に増加した。げ、げ。次戦以降も、彼の率いるグループからの突撃を受けるのかと思うと、うんざりする。彼の足を止める方策を考えておかねばなるまい。
反面、今回7人もの兵士をKIAに追い込めたので、分隊崩壊条件は満たしやすくなりそう(KIA値が7に下がるし)。このアドバンテージを活かせるかどうかは、次戦の部隊編成にかかっている。



11)次戦に向けて

次は、シナリオN「Jungle Meeting Engagement」。DYOポイントは241と、今回とまったく同じだ。事前の作戦立案、部隊編成については、カエルさんへのネタバレになりそうなので、対戦後までアップしない予定。