第一回目セッション(リプレイ・その2)

興味のある方はどうぞ。

■特技《特殊武器習熟:スノースコップ》(2日目)
翌朝、指定された場所に集まった俺たちを迎えたのは、満面に笑みをたたえたラッドだった。「来てくれて、ホントに助かるぜ。じゃ、これ頼む、な」
渡されたのはスノースコップ。「いったい、何させようって言うのよ」「そりゃもちろん、護衛だよ。このソリの。こっちのソリに積んであるのが、大事な“お荷物さま”だ。無事に届くように、しっかり護衛してくれよ」「いや、俺たちは武器ならある。いくら何でも、スコップはないだろう」「はぁ? お前はそのモーニングスターで雪かきできるのか?」「雪かき?」「そりゃそうだ。ソリの行く手を阻むのは、獣や化け物ばかりじゃない。空から降ってくる白いヤツと戦うのも、お前らのお仕事なのさ」「………」
しぶしぶスコップを手に、配置につく。先頭の馬はガイドのマーズ(地元の猟師らしい)が引き、天蓋付きのソリにジョゼルと“お荷物さま”が乗り込む。ラッドはマーズと並び、馬を操る仕事だ。馬の前に俺とズーブ。この二人が雪道のラッセル担当。天蓋なしのソリにアルハイムがつき、最後方にマイエラという陣形になった。
「くそったれ、まさかこんなところで武器の特技を修得するとは思ってなかったぜ」「まったくです。コードの神が体を鍛えることを奨励しているとは言え、雪かきとは」隣に並んだズーブとグチを言い合いながら、雪道をラッセル。時にはスタックしたソリを持ち上げたり、押したりしながら、ようやく初日が終わった。
「今日は、まずまずのペースだな。予定通りに着けそうだ」夕食の支度をしながら、マーズが言うのを聞きながら、眠りに落ちる。今日は疲れた。

■自動的失敗なんか大嫌いだ(3日目)
旅の二日目。空は快晴。昨日の経験で、ズーブとのコンビネーションがうまく行くようになった。ラッセルでは息の合ったところを見せる二人。後ろから来るアルハイムも、適切なタイミングでサポートしてくれる。夜の歩哨では「体力に自信がない」なんて言ってたけど、なかなかやるじゃないか、魔法使い。
好事、魔多し。何でもなさそうなところで、ソリがスタックしてしまう。俺が陥没を見抜けなかったせいだ。「なにやってんのよ!」マイエラの叱責。「あー、こりゃダメだ。一度荷物を全部降ろして、ソリを持ち上げないとな」落ち込む俺に、マーズの追い打ち。
「いったいどうしたことですか! これは契約違反ですぞ。私は手伝いませんからね」はいはい。ジョゼルのダンナは、そこで見ててくれ。
どうにかこうにかソリは掘り出せたけれど、今日は大幅にペースダウン。あまり進まないうちにキャンプを張ることになっちまった。「うーん、ちょっと遅れてるが……。まぁ、予定より半日遅れくらいで着くだろ。余分に一泊することになりそうだがな」マーズの言葉を聞いているのか、聞いてないのか。ジョゼルは不機嫌そうな顔で書類をずっとにらんでる。居心地の悪い夜だった。


(続く……かも)