第一回目セッション(リプレイ・その7)

興味のある方はどうぞ。

■頭を下げればぶつかりません(7日目・3)
ものすごい音をして、上げ蓋が開く。「きっと聞こえましたね」「出来の悪いノッカーみたいだな」「偶然できたにしては、まずまずね」
ぽっかり空いた暗い穴。はしごが伸びている。「ゴブリンらしい声がする。でも、何を言ってるかわからない」穴のそばで聞き耳を立てていたマイエラが言う。「どうする? 突っ込んでみるか」「罠があるかもしれないからな。まず何かを放り投げてみよう。さっきの部屋にあったベッドを壊して、火を付けて投げ込んでみないか」「アルハイムさんが油持ってますしね」「よし、それでいこう」……何も起きない。「面倒だ。突っ込むぞ」「クナルト、大丈夫?」「ああ、たぶん」
最後の二段を踏み外しながらハシゴを下りた俺を待っていたのは、ゴブリンの出迎えだった。「やあ、こんにちは。ご機嫌いかが?」
……戦闘開始だ。


■廊下は走らないようにしましょう(7日目・4)
「キュア・ライト・ウーンズ、あと1回です」「すまんな、ズーブ。お前まで巻き込んじまって」荒い息を吐きながら、ズーブに礼を言った。足下にはゴブリンの死体が3つ。「もう、降りても大丈夫かい」「後ろからは何も来ないわ」「足下、気をつけろよ。ハシゴ、最後の二段がないぞ」無事、合流。
「しかし、俺たちは“うるさい”な。騒音まき散らしながら探索か」「すいません。このスケールアーマー、がちゃがちゃいって」「いや、そういうことじゃなくて。もう少しスマートに潜入したいってこと」「クナルト、無謀に突っ込み過ぎよ」「そうだな。反省する」「無事に帰れたら、クナルトのおごりだな」「わかった」やっぱりうるさいまま、地下を探索していく。どうやらここは、自然の洞窟を利用したものらしい。いくつかの窪みが広げられていて、ゴブリンの寝床になっている。
「きっとここだ」「いかにも、ですよね」「調べてみるわ」最深部の霊廟とおぼしき場所。壁面にはハイローニアスの紋章が彫り込まれている。近くの石板には『ハイローニアスは静かに眠る』という言葉も。隠し扉があるとすれば、ここしかない。「あったわ。罠はなさそう。でも、そのままじゃ開かない。カギはないし……あ、コレね」マイエラが指さしたのはハイローニアスの紋章近くに隠れていた小さなボタンだ。「お、これか。押すぞ」「クナルト! 少しは学びなさいよ。向こうに何がいるかわからないじゃないの。ボタンを見たら何でも押すなんて、最近は子どもでもしないわよ」
捜索。罠あり。解除は成功。
聞き耳。何も聞こえない。
「行くぞ」ポチっ。

(続いても、あと2回)