第一回目セッション(リプレイ・その8)

興味のある方はどうぞ。

■旧友との再会(7日目・5)
扉の向こうは、小さな広間。奥にハイローニアスの祭壇があり、その右側には“お荷物さま”が鎮座していた。そして……「よ、久しぶりだな」と、嬉しそうにラッドが言う。「しばらくね、ラッド。やっぱりそういうことだったのね」マイエラも嬉しそうだ。
戦闘開始。ラッドのお友達は、俺たちじゃなくてゴブリン。「気をつけて下さい! 奥のゴブリン、呪文を唱えるつもりです」「ズーブ、止められるか!?」「無理です。サイレンスはありません」「せめてブレスをかけてくれ」「承知」心に湧いてくる勇気。これなら、怖い物はない。狭い隠し扉を抜け、一気に室内に押し入ろうとしたのだが。「グリースだっ! 滑るぞ」アルハイム、そいつを先に言ってくれ。バランスを取るのに必死で、動けないじゃないか。「来るぞ!」
間一髪のタイミングで、アルハイムのスリープが効果を発揮する。「よし、寝てる間に叩きつぶそう」「わかったわ! アレ?」「わかりました! アレ?」言葉は勇ましいが、実践が伴わない俺たち。弓も剣も外れ、何もできない。その隙に「おい、起きろよ。お楽しみはこれからだぞ」とラッドが動き回る。数の優勢を作り出すはずが、まったく意味がない。「せっかくのスリープが」と、むくれるアルハイム。
「ウギャッ!」ズーブがダメージを受ける。「ゲゲッ!」俺もショートスピアをよけきれない。向こうの攻撃は当たるのに、こちらの攻撃は当たらない。神様ってのがもしいるなら、こいつは不公平じゃないのかい。「あー、やっぱりお前らに声かけて正解だったよ。弱いなぁ。これなら、丘の上まで呼び出さなくてもよかったかな」嬉しそうなラッド。言い返せない俺たち。

■精一杯の総力戦(7日目・6)
怖い。何でこんなに怖いところにいるんだろう。目の前に怖い化け物がいる。うわやめろ、何をする。助けてくれっ! 「ズーブ、クナルトが怯えてる! 何とかならないの」「ダメです。リムーブ・フィアーはさっきキュア・ライト・ウーンズに代えてしまいました」「待つしかないか。少しでも数を減らさないとな。アシッド・スプラッシュでどうだっ!」
ええと、ここはどこだ? 俺は何をしてるんだ? なんだか、よくわからないぞ。「今度はデイズか!? ズーブ、何とか持ちこたえてくれ」「頑張ってみます。コードよ、敬虔なる信者である我に力を!」「よし、当たったわよ! ゴブリンは残り1匹」
気が付くと、目の前にラッドがいた。腹にズーブのモーニングスターが刺さっている。顔面は真っ赤で……あっという間に蒼白に変わっていった。その変化は急で、あっという間のできごとだった。「あ、あれ?」
ぼんやりラッドを見ていた俺の後ろで、マイエラが剣を振るう。ナイスヒット! 直撃を受けた魔法使い風のゴブリンは、後ろに吹き飛んで壁に当たり、そして息絶えた。
「ズーブの活躍、すごかったな」「そういうアルハイムさんこそ」「あら、誰か忘れてない? 私も一匹始末したわよ」「まぁ、パーティの勝利だな」「何言ってるんだ、クナルト。お前、ほとんど動いてないじゃないか」「いや、その、あれだ。魔法には弱くてな」

(あと一回)