第二回目セッション(リプレイ・その2)

D&D3.5eのキャンペーン、第二回目セッションの記録です。
今回は戦闘編。興味のある方はどうぞ。

■トーランの苦悩(11日目)
なぜだ。なぜ、こんなことになる。ラッドへの指示は「もっとも使い物にならなそうな連中に護衛をさせること」だったはずだ。それがなぜ?
もしかすると、あのときに気づくべきだったのかもしれない。この連中と初めて会ったときに。大した力量もなく、場数も踏んでいない寄せ集め。しかし、時にこういう連中こそが何か大きな仕事を成し遂げることがある。それに気づかなかったのは、私の目が曇っていたからか。
まあ、よい。それは仕方のないことだ。これは聖カスバードの与えた試練なのやも知れぬ。自分のしでかした失策は、自分で片を付けるのみ。要は、こやつらを『オルランド代理人』に接触させねばよいのだ。


「君たちが私の障害であることは、よくわかった」不敵に告げながら、トーランはゆらりと立ち上がる。手にはいつの間にかスクロール。「気をつけろ! そいつはやる気だぞ」と、後ろからアルハイムが叫ぶ。「やっぱりね」「そういうことだと思っていたわ」「これだから聖カスバードは……」トーランを囲むように立っていた三人も、心の準備はできていた。戦闘の開始だ!




■得意な敵、苦手な敵(11日目)
・イニシアチブ:ズーブ23→マイエラ18→アルハイム16→トーラン16→クナルト4


・第1ラウンド:
ズーブはディヴァイン・フェイヴァーを詠唱。続く移動アクションでモーニングスターを構える。トーランからの機会攻撃はなく「お主らは、聖カスバードの司祭に対して刃を向けるのか」と不敵な発言。
マイエラはトーランの手番まで行動遅延。彼が読もうとしているスクロールが何であるか不明のため、それに備える。「あいつ、何か唱えようとしている!」
ただ一人、他メンバーと離れたところにいたアルハイム。移動アクションでロングボウを構え、さらにメイジ・アーマーを詠唱。守りを固めつつ、次のラウンドに備えた。
そして、トーラン。スクロールの詠唱を始め……ようとしたところで、ズーブが《呪文学判定》。「何か呼ぶぞ! “サモン・モンスター・II”だっ!」「な、何ぃ、“II”だと!? 召喚術師の俺でさえまだ“I”なのにっ!」アルハイムの呪詛に似た叫びを聞きながら、マイエラが割り込みアクション。ロングソードを構え、トーランに斬りつける。しかし、攻撃ロールに失敗してしまった。
あらためて、トーラン。《精神集中》に成功し、スクロールを使用。前衛3人の後ろに2匹、アルハイムに隣接する位置に1匹、セレスチャル・ジャイアント・ファイアー・ビートルが召喚される。「蠱かっ! 任せろ。俺の得意な敵だ(クナルト)」「蠱!? ダメだ、精神系の呪文が効かない! せっかく準備した“スリープ”が……(アルハイム)」「僧院では大活躍だったのにねぇ(マイエラ)」「そういうこともありますよ(ズーブ)」
クナルトはトーランの真正面。移動アクションでシミターと楯を構え、「でも、蠱よりこっちが先ね」とフリーアクションでいいながら、トーランに斬りかかる。ダイスロールも冴え、トーランに7ポイントのダメージ。「さすが、本職!」というマイエラの賞賛。


・第二ラウンド:
蠱のイニシアチブは4。クナルトより後。
ズーブはモーニングスターでトーランに攻撃。ディヴァイン・フェイヴァーの効果もあって、攻撃は成功。5ポイントのダメージ。「ぬおっ!」トーランのうなり声。「効いてますよ! 一気に行きましょう!」
マイエラは再び行動遅延。トーランが二枚目のスクロールを出したからだ。「何枚持ってるのよ!? 自分の力で戦えないの?」「ほざくな、エルフ」
蠱に隣接されたアルハイム、5フィート・ステップで遠ざかり、ロングボウで攻撃。「俺にはこれしかないんだっ! “スリープ”……」。当たらず。
トーランは5フィートステップしてから、スクロールを使って“シャター”を詠唱。マイエラの一撃も機会攻撃も当たらず、呪文発動に成功。目標は……クナルトの持つシミター。「くっ、まさか」手に持ったシミターが粉々になるのを見て、魔法の強烈さを思い知るクナルト。
クナルトは移動アクションで、もう一つの武器(ショート・ソード)に持ち替える。さらにトーランを攻撃。「シミターの仇!」よくわからない念を込めながらの攻撃はヒット。トーランに8ダメージを与えて倒すことに成功した。「オーベルト卿、これでは話が違う……」ゆっくりと崩れていくトーラン。「何、いまの?」「名前は覚えておかなくちゃな、黒幕かもしれんし」
トーランを倒して、パーティの士気は高まる。しかし、残ったファイアー・ビートルが手強い。クナルトとズーブに対する攻撃がそれぞれヒット。残りのHPは、クナルト3、ズーブ6。「軽く死ねる、かな」「そうかも知れませんね」


・第三ラウンド:
ズーブの攻撃は失敗。マイエラはロングボウに持ち替え。
アルハイムは「効きそうな呪文は……これしかない。まったく、こんなことになるとははな」と悔しがりつつ“レイ・オブ・フロスト”で2体のファイアー・ビートルを攻撃。機会攻撃を避けつつ命中させたが、大きなダメージは与えられない。「こっちは任せろ」と、クナルトが1匹を倒し、残り2匹。
「ぐあっ」ズーブが苦悶の表情を浮かべる。ファイアー・ビートルの攻撃をくらい、残りHPはわずかに2。「前衛が危ないわ」「でも、俺たちも前には立てないよな」「それもそうね」


・第四ラウンド:
パーティ側の攻撃も、蠱の攻撃も、まったく当たらない。「持久戦は不利よ!」というマイエラに、アルハイムの冷静な指摘。「呪文には持続時間があるはずだ。もうすぐ、消えるよ」「さすがね」「“スリープ”も1分間なんだよ」「まだ言ってるの!?」。


・第五ラウンド:
アルハイムの言葉通り、蠱は一斉に消え去った。呼び出された別次元界に戻ったようだ。「助かった……」「でも、経験値は稼げなかったな」『なるほど、少数の強い敵より、弱い敵たくさんの方が苦手なんですね』「まったくだ」「ちょっと、いまの誰?」「あれ?」


(続く……なら、次は買い物)