第三回目セッション(リプレイ・その1)

物語は佳境に!? 興味のある方はどうぞ。



■団体旅行になりつつある(10日目)


パーティがバタイユ牢獄に到着してから、6日が経過した。ギャレッド、アドラム、モーグなどと出会い、その協力を得て、パーティは脱出計画を立案している。


彼らの立案した計画は3段階に分かれている。①労役中に看守から首輪の鍵を奪い、複製を作る。②騒ぎを起こして懲罰房に入る。③懲罰房を抜け出てバラムに接触し、地下通路で脱出する。いずれの段階も、成功の確率はそれほど高くない。能力も技能もそれほど高くないレベル2のパーティでは、致し方ないところだろうか。


作戦の第一段階、看守から首輪の鍵を奪うのは今日。労役に潜り込んだ4人は、それぞれの役割分担をしっかりこなすことが要求されている。アルハイムが騒ぎを起こして看守(“のろまの”ピート)の注意を引きつけ、マイエラが首輪の鍵をこっそり盗み出し、ギャレッドが素早く型を取る。クナルトはピート以外の看守を引きつける役割だ。


「さぁ、始めようか」ささやくような声でアルハイムが言い、作戦がスタート。急に腹痛が起こったふりをして、ピートの目の前で倒れてみせた。続いてマイエラが腰の鍵をすり取ろうとしたが、失敗。ピートが持っていたサップで殴られる羽目に。これをきっかけにピートとアルハイム、マイエラの間で小競り合いが起こる。

仲裁に入る振りをしたギャレッドが型を取ることには成功したが、マイエラは殴られて気絶。ひどい有様のまま、アルハイム、クナルト、マイエラの三人は懲罰房に送り込まれることとなった。


監視の緩やかな“外側”に残ったズーブ、ギャレッド、アドラムの三人は、第一段階の計画の仕上げに入る。ギャレッドがとった型を元に首輪の鍵の複製を作り、作り……「まずい、メルティングポッドが使えないぞ」。かくして、急遽「鎧鍛冶」の心得がある囚人、ドワーフの戦士ドルムに接触することになった。ドルムは鍵作りの報酬として、自分も脱出行に参加することを要求。純戦士の力を欲していたズーブの判断で、パーティに新メンバーが加入することとなったのである。


ドルムの加入で、脱出行に参加するメンバーは9人に増えた。ちょっとした団体旅行の様相を呈しつつある。小回りが利かない人数で、彼らは無事脱出できるのだろうか。

(続くことにしよう)