第三回目セッション(リプレイ・その4)

興味のある方はどうぞ。


■スキンヘッドの男(12日目・その3)
北西の塔は、他と比べて手入れ(掃除など)が行き届いていた。政治犯として貴族などが送り込まれることも影響しているのだろう。
“内側”の監視体制も緩やか。2Fにいた看守は酔っぱらって徘徊しているし、3Fにも看守はいない。マイエラが偵察した範囲では、まともな(起きている)看守は1Fに一人のみだ。「どうする?」「まず、三階ね」。


3Fの牢獄は、すべて鉄扉。人の気配がするドアをノックすると、中からはくぐもった声。どうやら、入れと言われているようだ。「イズメイの牙!」「イズメイの牙!」マチルダから教わった合い言葉を口々に言いながら、アルハイムとマイエラが部屋に入る。


部屋で待っていたのは、小柄な人間の男だった。年齢は30歳代だろうか。“残虐”というイメージからは少し外れた第一印象。しかし、目つきは鋭い。彼が目的の人物、バラムである。白き街道の盗賊団を束ねる者として数々の修羅場をくぐり抜けてきたバラムは、さすがに頭のキレも良い。パーティが説明しようとするのをさえぎると「話は聞いている。いいから早く連れて行け」と一言。傍らに控えていたハーフオーガも、パーティをせかすようなうなり声を発した。

(次回はいよいよ脱出行)