第三回セッション(リプレイ・その5)

興味のある方はどうぞ。
正面からの強行突破が定番になりつつあるパーティが、どう脱出したか、です。

■一人で大丈夫?(12日目・その4)

パーティから脱出方法を聞いたバラムは、脇に控えるハーフオーガに陽動作戦を指示した。「アハド、奴らの注意を引きつけておけ」。無言でうなづくハーフオーガ。


バラムを加えて8人になった一行は、中庭の井戸を目指す。そこに、アドラムの言う「秘密の地下通路」への入口があるからだ。3Fから2Fへ、そして1Fへ。北東の塔を降りていく。

そうこうするうちに、アハドが3Fの城壁で騒ぎを起こし始めた。看守達の怒号が響く隙をついて1Fにいた看守を殴り倒し(使い魔では注意をひけなかったのだ)、中庭の噴水へ走る一行。

刻まれたルーン文字を確認し、アドラムが「ディスペル・マジック」の呪文を唱えると、地下に続く階段がぽっかりと口を開けた。「いくぞ!」アルハイムの号令で全員が駆け込む。「扉を閉める呪文、あったわよね?」「すまん、使えないんだ」「えっ!?」。アルハイムは召喚術を専門に極めた魔法使い。変成術、防御術の呪文は使えない。ホールド・ポータルは変成術に属する呪文なので、ここでは活用できないのだ。「オーベルト卿、話が違う……」「それはトーランだろ」。

(次回は、ダンジョン)