第五回セッション(リプレイ・その2)

興味のある方はどうぞ。
ロールプレイって難しい。。。



■マリー・セレスト号?(1日目・その2)


この村から2日ほどの距離に、ウインドワードという村がある。かつてヘクストアの帝国が隆盛を誇っていた暗黒の時代にできた村だ。噂では、帝国との戦いに敗れた“落ち武者”が拓いた村だとも言われている。自給自足を基本とする村で、周辺との交流はほとんどない。ときたま届く手紙と日常品を、村に届ける役目を果たしていたのがトマスだ。


「3日ほど前のことだ。トマスじいさんが青い顔をしてワシの店にやってきた。じいさんの言うことにゃ、“村が消えちまった”とか」と、ヴォルフ。「呪いだ」と怯えるトマスをなだめてヴォルフが事情を聞くと、震えながら彼はコトの顛末を話し出したという。


トマスが手紙や日常品を届けに村へ行くと、人の気配がない。おや、総出で狩りにでも出かけたか? はたまた、畑作業か? そう思ったトマスは村の家を見て回った。しかし、まったく人の気配がない。朝が昼になり、夕方になっても、誰も戻らない。村の周りにも、誰もいない。無人の村で半日を過ごしたトマスは恐ろしくなり、すべてを投げ出して戻ってきたという。


「そこまで話すと、トマスじいさんはガタガタ震えだして“呪いだ”と叫びだした。ワシがいくらなだめても、“もうダメだ、ワシも呪われた”と震えるばかり。転がり出すように店から出て行って……」。「出ていって?」「それっきりだ。その日の夜のうちに、商売をたたんでどこかへ行っちまったよ」。


(続く)