第五回セッション(リプレイ・その4)

興味のある方はどうぞ。
出版されているリプレイで、“主人公”役をしている人の気持ちが何となく分かる気がします。


■ドルムの不幸(3日目・その1)


ヴォルフの描いた簡単な地図を持ち、パーティはウィンドワード村へ向かう。途中で蠱の待ち伏せを受けたものの、マイエラの《視認》によって先手を取ったパーティはこれを瞬殺。ウィンドワード到着時には、万全の状態をキープできた。


夕闇に沈むウィンドワード村。村の建物は静まりかえっている。《視認》《聞き耳》では異常が見つけられない。「何もないみたいだな(アルハイム)」「一軒ずつ、家を調べてみるしかないわね(マイエラ)」『で、タンスを空けて“ちいさなメダル”を取る、と』「ドルムさん、いまの聞きましたか」「ああ、またクナルトの“うるさい守護霊”だな」


何が出てくるか分からないので、偵察はマイエラとドルムが組んで行う。一軒目は何もなし。「ほこりの積もり方から見ると、人がいなくなって一週間くらいだな」。二軒目も同じ、「床を見て、何かの痕よ」「血、か?」「拭き取ったみたいね」「うーむ」。


三軒目、マイエラは他と違う違和感を感じ取った。「何かがおかしい。うまくは言えないけど……あ、あれは?」。指さす先に、明かり。部屋を仕切るついたての向こう側から、小さなな明かりが揺らめきながら漏れている。「ここはワシが行こう」。マイエラに入口の警戒を任せ、ドルムがついたての奥へ。


ロウソクのほのかな明かり。炎の前には、老婆らしき人物が背を向けて座っていた。話しかけようとしたドルムが、老婆のつぶやきを耳にして思いとどまる。「ごめんよ、これしかなくてねぇ」。老婆は目の前にいるネズミを縊り殺し、そして……「おや、新しいのが来たよ」。手にはナイフ。


「まずいぞ、敵だっ」ドルムの叫び声で、パーティに緊張が走る。慌てて入口に駆けつけるアルハイム、ズーブ、クナルトの3人。「何だアイツは!?」「敵なのかっ!?」。老婆はナイフでドルムに斬りかかり、傷つける。「ドルムがやられたぞ」「いや、本当に敵なのか?」「甘いっ、クナルト!」。ズーブがディテクト・イービルの呪文をかける。『小人さんが旗を持って踊ってますね。“イービル、イービル!”と号令をかけてます』「敵です。遠慮なくやって下さい!」


「いったい、何だったんだ。いきなり斬りかかってきたぞ」「災難だったわね、ドルム」。床に倒れた老婆を見ながら、マイエラが慰める。その時、「おいっ、教会から人が出てきたぞ」とアルハイムの叫び声。「新手かっ!?」「いや、生き残りかもしれんぞ」

(続く)