第五回セッション(リプレイ・その6)

興味のある方はどうぞ。
1回のセッションで複数シナリオを消化しているので、タイトルがゴチャゴチャに。
次のリプレイから、整合性を取ります。



バルサザールという名前(3日目・その3)


パーティに危険を呼びかけた人物は、デクスターと名乗った。村の近隣で、狩人として生活をしているという。彼は森にある小屋にパーティを案内した。「狩りの時に使う隠れ家だ。村人はここを知らないだろう」。


「で、村に何が起こったんだ」というクナルトに、デクスターが経過を話して聞かせる。


デクスター:何ヶ月か前のことだ。村に異変が起こり始めた。まず、村で飼っている家畜−鶏や山羊−がいなくなった。次に、村の神父が惨殺された。ありゃあ、ひどい有様だった。そして……ほんの一週間前のことだ。村人が一人もいなくなったんだ。
クナルト:一人も? だってさっき
デクスター:一度は全員、いなくなったんだよ。村から全部の村人が消えた。後には大きな獣の足跡が残っていたが、人はいなくなっていた。
マイエラ:いなくなった村人が戻ってきたわけ?
デクスター:さっきの様子を見る限り、そのようだな。
ズーブ:トマスさんはきっと、誰もいない間に村へ来たんですね。
アルハイム:そうだろうな。


デクスターは、村の異変はライカンスロープと呼ばれる化け物が原因だという。彼の知人でもある伝説的なレンジャー、ハーフエルフのバルサザールが、そう告げたというのだ。


デクスター:バルサザールは、ライカンスロープを専門に狙っていたハンターだ。腕も立ち、頭もよく、ライカンにとっては疫病神だと言われていた。そんな彼が残した最後の言葉が、このできごとの原因を言い当ててるように思う。
マイエラ:ちょっと待って、最後の言葉って。。。死んだの?
デクスター:ああ、一週間前だ。彼は自殺した。「治療の希望は失われた」という言葉を残してな。


(続く)