第五回セッション(リプレイ・その7)

興味のある方はどうぞ。



■Bの刻印(3日目・その4)


デクスターは、バルサザールが残したという遺品をパーティに示す。「村の異変は、ライカンスロープの出現と無関係ではあるまい。きっと何らかの事情で、村人達はみんなライカンスロープの病にかかっているのだと思う。次の満月になってしまったら、村は本当の意味で“全滅”するだろう。それまでに、何とか解決策を考えたい。協力してくれるか?」。パーティに否やはない。もともと、村を救うために来たのだから。


バルサザールが残したものは、“B”の刻印が施された錬金術銀のショートソードが1本、同じく錬金術銀のアローが1ダース。そして、何かのポーションが2本、ワンドが1本だ。「薬とワンドは、使い道がわからないわね」「ライカンスロープの病を解除するんだろうな」「じゃあ、ちょっと振ってみましょうか」「わ、何をする、ズーブ」「あ、なるほど、レッサー・レストレーションのようですね。疲れは取れましたか、ドルムさん」「まったく、ワシを実験に使うとは」。
漫才のようなやりとりをよそに、じっとショートソードを見つめるクナルト。手元から出した錬金術銀のダガーと見比べる。「やはり、そうか」「何が?」「オレの村に残されていたダガーと、この刻印は同じように見える」「それって……」「ああ、そういうことだ」。


他に残されていたものは、バルサザールの手記。そこには、バルサザールが追うライカンスロープ“リュカン”についての記録が書かれていた。「これによると、リュカンとか言うヤツが今回の事件の元凶のようだな」「いくか、クナルト」「もちろんだ」。
パーティはリュカンが潜むという場所に向かうことにした。「しかし、問題が一つあるな」とアルハイムが冷静に指摘する。「さっき、ドルムが傷つけられただろ? ライカンスロープの病は、傷口から観戦するんじゃなかったか?」「あ、そういえば」「で、次の満月はいつだ、クナルト?」「月の様子から見ると、二日後だな」「だろ。俺たちには、あと2日しかないわけだ。で、リュカンがいる場所までの距離は?」「だいたい、20マイル先ね」「2日で着くのか?」「あ゛」。


(続く)