そこに至らせないようにするために

旅団長と。

Showdown:The Coming Indo-Pakistani War/初プレイ/2人/敗戦■

Decision Gamesが先日発売を開始した、Folioシリーズの一作。インドがパキスタンに対して侵攻したら……という設定で行う仮想戦のウォーゲーム/シミュレーションだ。
基本となるルールは、シリーズすべてに共通と言うこともあり、比較的オーソドックス。移動ルール、特に、EZOCからの離脱や、EZOC to EZOCあたりに不明な点はあるけれど、それ以外は理解しやすい。まぁ、第二次世界大戦も現代戦も仮想戦も含まれているシリーズなので、とんがったルールにはしにくいのだろう。
基本ルールに彩りを添えるのが、タイトルごとの追加ルール。『Showdown』の場合、戦術核や橋梁爆破/修復、SAM(地対空ミサイル)あたりのルールが加わる。


さっそく対戦。攻撃するインド側を担当した。勝利条件はパキスタン国内にある5都市のうち、4つを占領した状態でゲーム終了を迎えること。ラホール、イスラマバードは国境に近いため、兵力を集中しやすい。また、ラホール−イスラマバードのラインを抜ければ、ペシャワールも落とせそうだ。もう一つをどうするか? 今回は最南端の都市(ごめん、名前忘れた)を目指してみた。最精鋭の装甲部隊を南方に配置し、中央部には装甲+歩兵を、そして最北には歩兵を中心に布陣する。


1〜9ターン目までは、互いにウンウンうなりながらの攻防が続いた。1ヘクスに1ユニットしか配置できないことや、退却型のCRTを採用しているため、戦線がなかなか動かない。補給線の概念がないゲーム(シリーズ全部がそう)なので、もう少し機動戦になるかと思っていたので、少し予想外だった。
それでもまぁ、最南端の都市、ラホールの順に占領し、残りは2つ。ゲームは20ターンまでなので、それほど悪いペースではないと思っていた。航空支援の天敵であるSAMを中心に、だいぶ損害を与えていたし。


ここでゲームが変わった。パキスタン軍ターンの最初に振ったサイコロの目は「2」。おっと、ショータイムの始まりだ。


前述したように、このゲームでは両軍共に戦術核が使える。パスキスタン軍ターンの最初にサイコロを振り、出た目の数が「現在インド軍が占領している都市数」以下だと、戦術核を使用できるようになる(それだけ、パキスタン側の危機感が高まったと言うこと)。以後、パキスタン軍は好きなタイミングで、マップ上のどこにでも戦術核を発射できる。
もちろん、無尽蔵に打てるわけではなく、総量制限がある。また、SAMによる迎撃や不発弾の可能性はあるし、自国の都市/町には撃ち込めないという制限もある。でも、やっぱり、戦術核の威力は強烈だ。対象となるヘクスにいたユニットは壊滅し、そのヘクスには進入が不可能になる。また、一発命中するごとに、ゲーム終了までのターン数が1ずつ短縮されていく。うーん。


戦術核の使用許可が出たところで、パキスタン軍の戦略がまったく違ったものになった。パキスタン軍最強の装甲部隊はイスラマバードを放棄し、後方のペシャワールに下がる。もう一つの装甲部隊(これも強いんだ)は、中部の勝利条件都市(これも名前忘れちゃったの)へ籠城した。
インド軍側から見れば、イスラマバードを何とか陥落させても残り2都市のうち一つを確保する必要がある。パキスタン側が戦術核をいつか使ってくることは確実で、インド軍の打撃力は時間を追うごとに弱まっていくことは間違いない。ターン数が短くなるだけでなく、サドンデスで終わる可能性もある。スピードレースだ!


それまで押し合いの攻防戦だったのが、一気に戦線が動き始めた。
11ターンにパキスタン軍は4発の戦術核を使用。すべてが命中し、インドの精強部隊が蒸発した。報復として12ターンにインド軍が選んだのは、中部の勝利条件都市。ここに籠もっていた装甲部隊を蒸発させ、狙いをペシャワールに絞るという意図を明確にした。残り4ターン。


12ターン、パキスタン軍はさらに3発の戦術核を使用。一つは不発弾に終わったけれど、さらにゲームは短縮されて残り2ターンになった。
この時点で、インド軍が確実に攻略できるのはイスラマバードのみ。間に合うのか!?


……ダメ、だった(涙)。13ターン目にペシャワールへの隣接を目論んだ装甲部隊は、パキスタン軍の攻撃で撃退されてしまう。CRTの特性上、どうやっても最終ターンまでにペシャワールを陥落できないので、ここで投了した。うーん。。。


『Showdown』、面白いゲームだとは思う。戦術核の応酬が始まる「ショータイム」で、展開や考え方が大きく変わるのは新鮮だった。どちらの軍も、ショータイムの状況がどんなものであるかを踏まえて序盤の作戦立案をすることが重要になりそうだ。もう一回、今度は陣営を入れ替えて遊んでみたい。
註)ルールの穴を突くつもりなら、パキスタン国内の都市を空白地にしておき、最終ターンで一気に占領するというセコイ手も考えられる。それじゃつまんないのでやめておくという自制心が必要そうだ。