【044】グローリー・トゥ・ローマ(Glory to Rome)


・作者:エド・カーター、カール・チャディク(Ed Carter, Carl Chudyk)
・対応人数:2〜5人
・実プレイ時間:30〜90分(人数、展開でだいぶ変わる)
・プレイ回数:24回

■3年積んでたゲームを発掘■

テーマに引かれて買ったけど、ルールが何となく面倒くさそうで3年間積んでいたカードゲーム。旅団長が“発掘”してくれなければ、あのまま処分の対象になっていたかもしれない。
そんな『Glory to Rome』は、大規模な火災によって焼失してしまったローマを復興することがテーマのカードゲームだ。プレイヤーは有力者の一人となって、さまざまな職権/職能を持つ人を率いる。重要な施設を建設することで資金と名声を得て、ローマ最大の勢力になることが目標だ。

■すべてのカードに4つの効果■

骨格になる仕組みは「役割の選択」。スタートプレイヤーが自分の使いたい職権/職能を描いたカードを出し、他のプレイヤーはそれに“相乗り”するかどうかを決める。カードを出したプレイヤーは職権/職能の効果を使って、施設を建てたり、お金を得たり、新たな人物を雇用したり、といったことを行う。このとき、スタートプレイヤーは追加効果を得られる。同じことを繰り返し、一定条件が整ったらゲーム終了。その後に得点計算を行って勝者を決める。
まぁ、よくあるタイプといえば、よくあるタイプ。このゲームならではの特徴は、一つのカードに「職権/職能、資材、施設、お金」という4つの要素が記載してあり、どれか一つとして使えること。
さらに、1枚のカードは職権/職能としては1回しか使えない。手札から場に出したカードは、二度と手札にはならないのだ。「このカードに書いてある施設を建てたいけど、そうすると職権/職能として使えないから後で困りそう」「スタートプレイヤーが選んだ“役割”に相乗りしたいけど、そうするとお金にできなくなるからなぁ」といった手札管理の難しさが、ゲーム中ずっと頭を悩ませる。いつ使うか、どう使うか、をしっかり考えないと勝てないのだ。

■メンドクサイから面白い、と考えられる人向け■

他プレイヤーの動向を睨みつつ、カードの使い方を考えながら、進めていく。『Glory to Rome』は、ものすごく考えることが多い(=選択肢が多い)ゲームだ。いろいろな要素が複雑に絡んでいるため、“勝ち筋”も多い。どれを選び、どう勝つか、を考えるのは、正直言ってメンドウクサイ。けれども、その面倒さがこそが、このゲームの面白さでもある。メンドウクサイから面白い、と思える人なら、挑戦しがいのあるゲームとして勧められる。ただし、ルール説明はこれまたメンドクサイので、自分が説明するにしても他の人に説明してもらうにしても、時間がかかることは覚悟しておくこと。