Triumph and Tragedy(その1:勝利条件)

昨日に引き続き、GMT Gamesの最新作『Triumph and Tragedy』の紹介。訂正も含めて、今日は勝利条件と、それに関連する要素の話を。

1)勝利条件は3つ

大きく分けて、3通りある。順番に紹介すると
・経済的勝利(Economic Victory):自陣営の勝利得点(VP:Victory Points)が25点以上になったら、翌年の勝利条件チェック時点で勝ちが決まる。昨日は「平和時限定」みたいに書いたけど、戦争状態でもOK。というか、戦争状態にしないと25点も取れないと思う、たぶん。
・軍事的勝利(Military Victory):こちらは昨日も書いたとおり、戦争状態になったときのみ達成できる勝利条件。敵陣営の首都および副首都(Main Capital/Sub Capital)を2箇所占領したら、即座に勝利。ゲーム終了。
原子力勝利(Atomic Victory):技術開発の結果、原爆が開発できた。かつ、他陣営の首都(Main Capitalのみ。Sub Capitalはダメ)に原爆を落とせる条件を満たした陣営は、即座に勝利。ゲーム終了。
以上のどれかを達成できた陣営がなかったら、1946年の勝利判定で勝者を決める。単純にVPを合計して、多い陣営の勝利だ。

2)勝利得点

勝利得点の獲得方法は、4通り。
・生産レベル:判定時点での生産レベルが、そのままVPになる(詳細は後述)。
原子力開発:4段階それぞれ1VPを獲得する。
・敵首都の占領:首都(Main Capital)は2、副首都(Sub Capital)は1点。
・平和の配当(Peace Dividend):平和時にもらえるチットがあって、その総得点。

3)生産レベルって?

勝利得点、軍事ユニットの生産の双方に関わるのが「生産レベル(Production Level)」だ。このゲームでは生産レベルは3つの要素を比較して決めるようになっている。
・工業力(IND:Industry):陣営ごとの工業力。投資によって上げられ、戦略爆撃で下がる。
・人口(POP:Population):主要国、植民地、同盟国などの人口の総和。
・資源(RES:Resource):鉄鉱石や石油などの資源。平和時は影響なし。戦争時のみカウント。
この3要素を比較して最も低い数値が「生産レベル」になる。たとえば、Axisはスタート時点で12IND/11POP/6RES。平和状態なのでRESは影響がないため、生産レベルは11になる。工業力は抽象的な概念で、マップ上に工業地帯があるわけじゃない。カードプレイで好きなように上げていける。だけど、人口や資源はマップ上の地域を支配下におかないと手に入らない。外交で同盟国にしたところから人口/資源は手に入るけど、それだけでは限界あり。なのでゲームが進むと必然的に紛争や戦争が起き始める。

4)原子力開発?

カードを使って、さまざまな技術を開発していく仕組みが用意してある。ほとんどの技術は特定ユニットに特殊効果を付与するものになっている。唯一、勝利条件に関係するのが「原子力(Atomic)」だ。原子力の開発は4段階に分かれていて、先行技術を開発しないと次の技術開発はできない。1年に進められるのは1段階のみ。ゲームは1936年〜1945年までの10年だから、全部開発しきるのは難しいかもしれない。
そんで、と。最後の段階まで開発を進めた陣営は、原爆を持つことになる。でも、持っただけでは勝てない。自陣営の軍事ユニットが、敵陣営の首都を「航続範囲内」に納めていることが、サドンデス勝利を得るための条件になる。まぁ、必然的にドンパチが起こるよね。

5)首都と副首都

登場する国家には「Great Power」「Major Power」「Minor Nation」のクラス分けがある。ゲーム開始時、各陣営は次の国家で構成されている。
・Axis:ドイツ(Great Power)、イタリア(Major Power)
・West:イギリス(Great Power)、フランス(Major Power)
USSRソ連(Great Power)
これらのうち、Great Powerの中心となる都市を「首都(Main Capital)」と呼ぶ。また、Great Powerの重要拠点と、Major Powerの中心となる都市を「副首都(Sub Capital)」と呼ぶ。Westを例に取ると
・Main Capital:London(イギリス)
・Sub Capital:Delhi(インド。英連邦に所属)、Paris(フランス)
両者で同じ機能(補給源として使える)、異なる機能(生産レベルの算出時の資源運び込み先には使えない)があったりする。
あ、ちなみにWestの友好国として登場する可能性があるアメリカ合衆国は「Major Power」。なのでWashingtonは副首都扱いだ。

6)平和時の配当?

ゲームは、どの陣営も「競争相手ではあるけど、戦争している相手じゃない」状態で始まる。まぁ、そのうちドンパチは始まるわけで、仮の平和なんだけどね。
平和状態にある国家は、毎年の最初に配当(Dividend)を受け取れる。簡単な話、勝利得点をもらえるってこと。この得点はチットになっていて、数十枚の中からランダムに受け取る。「0点」が一番多くて、次に「1点」、最大の「2点」は4枚だけある。受け取ったチットの中身は自分だけが確認できるから、誰が勝利に一番近いのかはマップ上の状態だけではわからない(こともある)。大きな得点源にはなりにくいけど、ゲーム展開の読みにくさを増してくれる仕組みではある。
ちなみに、戦争状態に入るとチットは受け取れなくなるけど、そうなるのは戦争状態になった2陣営だけ。たとえば、USSRがAXISに戦争をふっかけた場合、次の年の最初にWestだけはチットを受け取れる。




今日はこんなところで。明日も余裕があったら「技術開発と外交」あたりを紹介しようかと思ってるです、はい。