平日三人ゲーム会(まずは概要)

一味さん、旅団長と。

■Angola/初プレイ/3人/途中終了/73分(ルール説明とセットアップのみ)■

本日のお題はコレ。Multi-Man Publishingが出している版で。
のっけから申し訳ないけど、「アフリカ大陸のアンゴラで、共産主義を標榜する2陣営と他の2陣営が戦う」くらいしか歴史・背景に関する知識はない。ものすごーく大ざっぱに言うと、『Andean Abyss』みたいなプレイヤー構成だ。ただ、このゲームでは2つずつの陣営が明確に協調している。共産側と、そうじゃない側。勝利判定の際には共産側の2陣営の得点を合計し、相手の2陣営の合計点と比較する。だから、四つ巴の状況にはならない。なお、陣営(=プレイヤー)単独での勝利判定は行わないので、「勝った陣営のうち、どちらがより勝利に貢献したか」を競う必要はない。今日は3人ゲームだったので、共産主義側の2陣営を旅団長が一人で担当した。私はUNITAで、FLNAの一味さんとチームを組む。



ゲームに先立ち、旅団長による口頭でのルール説明が51分。「わかれば納得、それまでちょっと面倒」というタイプ。仕組みで特徴的なのは3つある。“Column”“Operation Pack”“Resolve Combat”だ。
最初の“Column”というのは、部隊編成のこと。このゲームでは、同一エリアにスタックしたユニットを単位として移動や戦闘を解決していく。このスタックのうち、特に能動的な動きができるものを「Column」という名称で呼び、アルファベットの名称を付けて管理(専用のマーカーを乗せておく)する。陣営によって同時に編成できるColumnには違いがあって、FNLAだと5つ、UNITAだと4つまでだ。最初の編成は自由にできるけど、ゲームが始まってから編成を変更するのはちと大変。そのあたりも考えておかなくちゃいけない。ちなみに、専用のマーカーを乗せずに、ユニットを地図上に置くことも可能。こうしたスタックは「5th Column」という分類になり、移動制限や戦闘時の不利な修整を受ける。



次、行ってみよう。“Operation Pack”というのは、ターンごとに行う作戦計画のこと。このゲームは、陣営ごとに用意してある一組のカードを使ってユニットの移動や戦闘を行う。1枚のカードには「Column A」とか「5th Column」などと書いてあって、カードを出すことで該当するColumnだけが移動、戦闘できる。
各ターンで使用できるカードの枚数は決まっており、ゲームが進むにつれて徐々に増えていく。1ターン目は4枚、7ターン目からは7枚、といった具合だ。各ターンの開始に先立ち、プレイヤーは秘密裡に「このターンに使いたいカード」「そのカードを使う順番」を決めておく(プロット)。このカードのまとまりを“Operation Pack”と言う。各ターンは、ランダムに決めた第1プレイヤーから順に1枚ずつカードを公開して、行動していく仕組みだ。



3番目の“Resolve Combat”。あー、っと、別に特殊用語ではない。戦闘解決の仕組みが独特だ、ってこと。戦闘の解決は4段階。1)参加する攻撃側:防御側の戦力を合計して比率を出す(戦闘比)→2)戦闘が発生したエリアにより、振るダイス数が決まる→3)攻防ともにダイスを振り、出た目(のうち、もっとも大きな一つを)見て、攻撃側−防御側の数値を出す→4)数値により戦闘比がシフトして、結果がわかる。戦闘比を横、ダイス目を縦にした、良くあるタイプのCRTじゃないんで、慣れるまで少し時間がかかった。


以上の3つを基本に、増援とか海外からの援助とか各種兵科とか、そういうサブシステムを加えてルールができている。あ、そうそう。勝ち方にも触れておく。このゲーム、「相手勢力が支配する都市を、どれだけ奪ったか」が勝利条件になってる。ゲームの開始時、各陣営は5つずつの都市を支配している(固定のものとランダムのものがある)。ターン中に敵陣営が支配している都市を奪うと、Victory Tokenがもらえる。1ターンが終わったときに、このチットをどれだけ持っているかで「そのターンの勝者」を決める。これにより勝利を達成するための条件が変化し、ターン終了時点で条件を達成していたら、そのプレイヤー達が勝ってゲーム終了。満たしていなければ、次のターンへ……と進めていく。最後の10ターンが終わったら、その時により有利な勝利条件になっている方が勝ち、だ。

平日3人ゲーム会(展開とか評価とか)

■Angola/初プレイ/3人/途中終了/292分(開始から第7ターン修了まで)■

ゲーム開始に先立って、各陣営が支配している都市をランダムに決める。UNITAは東部と中央部に2ヶ所ずつ、あとは補充拠点でもある南部に1ヶ所。最後に引いた北部の拠点は孤立している。一味さんのFNLAは北部を拠点にするので、その地点は捨てて東部と南部に集中することにした。


第1ターンの“Operation Pack”は4枚。UNITAは使用を強制されるブランクカードが本来は2枚ある。このカードを出した時は、どのユニットも何もできない。なるほど、兵力はそこそこ持ってるけど、行動の自由度は小さいのね。今日は3人ゲームだったのでブランクカードが1枚少なく、救われた。通常だと、4手番のうち2手番は何もできないことになるから。
とはいえ、最初にできることはあまりない。ゲームが進んでから編成を自由にしたい、なんて余計なことを考えたために、初期配置ではAとBのColumnしか編成していなかったからだ。仕方ないので「5th Column」を出して予備部隊を集結させ、あとはA/Bをそれぞれ1回ずつ行動して終了。お、意外にサクサク進むぞ。
1ターン目の増援は、3をビッド。このゲームでは「必ずもらえる増援」「負けてるともらえる増援」「ビッドによってもらえる増援」の3種類がある。ビッドは自由にできるけど、あんまり多くすると勝利条件が厳しくなる(=相手を利する)。ここは3をビッド。増援カードを3枚受け取り、記載されているユニットを受け取った。でも、大したものはこない。トホホ。


第2ターンから、マップ上のあちこちで戦闘が始まった。共産陣営は、増援によって手に入れた航空機を有効活用して攻めていく。一味さんのFNLAは共産側の拠点を叩くべく北上し、兵力にものを言わせて大きな戦果を上げる。一方でその分だけ中央が薄くなり、共産側の増大を許してしまう。UNITAは、といえば、初期の拠点を守りつつ中央に対する包囲網を作っていく。
第3ターンまではそんな感じで状況が推移。最初はバラバラな拠点で孤独な戦いをしていた各スタックが、徐々に戦線を形成し始める。北部ではFNLAが優位に立つも、西部の沿岸地域はほとんどが共産側の手に落ちた。共産側が“内線の利”を有効に活用しつつ、勝利条件でも優位に立つ。


第4〜第5ターンは、各地で激しい戦いが連続して発生した。豊富な増援により“俺の空”状態を作り出した共産側が優勢な状態を保つ。FNLA/UNITAもAAミサイルは持つけれど、こっちは使い捨て。撃墜さえされなければ何度も出撃できる航空機には敵わない。
こうなってくると、“Operation Pack”のカウンティングが重要になる。相手がどのColumnの行動を残しているかで将来の進行方向を見定め、航空支援やAAミサイルなどの重武装を効果的に投入する地点を見いださなくてはならないからだ。ターン開始前のプロットにかかる時間は少し長くなり、戦闘の解決回数も多くなって、1ターンあたりの時間は長くなっていく。


第5ターン(第6ターンだったかも:記録してない)、北部で孤立していた共産側の拠点がFNLAの手に落ち、いよいよ戦線がはっきりしてきた。背後の不安がなくなったFNLAは一気に南下し、共産側の拠点を奪っていく。複数都市で起こる激しい攻防、多数の戦力のぶつかりあい。いやー、どんどん面白くなってきたぞ。
ただ、状況は共産側が圧倒的に有利。第7ターンの開始時点で4ポイントの差が付いており、毎ターン1ポイントずつ詰めていっても勝てない(引き分けになる)。こうなると逃げ切りを狙う共産側は重要拠点を守りつつ手薄なところを攻めていけばよくなる。航空機をため込んでいたので、増援もあんまり必要ない。追いかけるFNLA/UNITAは、多少の無理は覚悟の上で攻めていかなければならず、そのためにはより多くの兵力や武装が必要だが増援を多く要請はできない。難しいねぇ。



「さぁ、クライマックスだ」と思った第7ターン終了時、私の都合により時間切れでゲーム終了。この後にドラマチックな展開が待っていそうだっただけに、かなーり残念だった。ごめんなさい。




感想。
遊んでいる時の感覚は『Successors』に近いように思った。初期の支配地域がランダムに決まることが、そう感じる理由なのだろう。最初は混沌としている状況が、徐々に整理されていき、終盤につながっていく、という一種の“ドラマ”を、うまく表現しているように感じられた。
陣営ごとの特徴を表す仕組みも、うまく機能しているように感じた。増援の受け取り方、利用できるColumnの総数とカード構成など、ほんの少しの違いだけど、うまく機能している。『Andean Abyss』みたいに、全部の陣営でできることが違う、というほど極端でないところが、初めて遊ぶ時にはわかりやすかった。
ルールには不明瞭な点もあるけど、コレは面白くて、楽しい。OGN、でいいんじゃないかな。ただ、このゲームの本線は4人プレイにあると思うし、最終ターンまで(orサドンデスまで)遊んでないから、OGNと言い切るのは不適切かと。近日中にもう一度、あ、いや、何度か遊んでみたい。


★暫定評価:お寿司屋さんで作ってもらったイカの塩辛