二人ゲーム会

久しぶりに、O氏と二人だけのゲーム会を開催。懸案だったものを次々と消化した10時間。こういう一日は、実に楽しい。

  • トワイライト・ストラグル(Twilight Struggle):17回目/2人

http://www.gamers-jp.com/playgame/db_gamea.php?game_id=2143

 昨年、かなりのヘビーローテーションだったタイトル。今回はO氏のリクエストがあって対戦を実施した。初プレイのO氏がUSSRを持ち、ゲームスタート。
 序盤の1-3ターン目まではUSSRがやや優位に推移。カードの出方もあって、一時は-12VPまでいく。もちろん、これはよくある話。3ターン目までをしのぎきったことで、USAに有利という判断だ。Mid Warでは、お互いの手札が「相手のイベントカードのみ」というターンも。Early Warの段階で、USSR向けの危ないカードは一通り潰しておいたので、こういう展開ならUSAに分がある。5ターン目にVPで逆転に成功、その後も順調に加点して、9ターン目のヘッドラインフェイズにサドンデス勝利を収めることに成功した。
 久々にやってみて、このタイトルに対する熱意が下がっていることに気づいた。確かに面白いタイトルではある。独特なメカニクスも秀逸だし、テーマの「同時代性」も感じる。ただ、以前ほどの「遊びたいという欲求」は感じない。ゲーム中にたびたび起きる割り込み処理(相手イベントの強制発動)が著しくテンポを損ねているように思えてしまうのだ。最近、シーケンシャルな進行のタイトル(18xxが代表的か)ばかり遊んでいる反動かもしれない。また、思いついたときに再プレイしてみよう。

http://www.gamers-jp.com/playgame/db_gamea.php?game_id=2408

 最近、いちばんのお気に入り。今回は公式2人用ルールを適用してやってみた。
 最初の数日(ターン)は、正直なところ「あちゃー、外したかも」という感じが強かった。建物を作るのに1手番が必要(つまり、塔のボードにある行動を選ぶと、建物は同時に作れない)なことから、手番で出来ることが少ない。したがって進行は実に地味。メインボード上のキューブも、建物ボード上のキューブも閑散としたままで1週間が終わる。「もしかして、このまま盛り上がりもなく終わるのでは?」と、少し不安。
 そんな不安が解消され始めたのは、2週間目の終盤。両者ともに建物の特殊効果を効果的に使い始め、それぞれが思い描く作戦が見え始めたからだ。こうなれば、あとはいつもの展開。やりたいことの多さと、できることの少なさ(3-4人よりも少ない!)というジレンマに悩みながら、効率の良い手を探していく競争になる。
 1回戦は、O氏がメインボード上で効率的に得点して勝利。思ったよりもずっと好評だったので、もう一戦。2回戦目は、私がメインボード上で効率的に得点して勝利した。
 イスファハン、これで2/3/4人というすべての対応人数で遊んでみた。どの人数でも、ゲームの本質的な面白さは変わらない。しかも、人数によって展開や雰囲気が変わるので、遊んでいて楽しい。飽きない程度に(ここ重要だろうなぁ)これからも回していく予定。

 ちょっとメモ:ある程度ゲームになれてきたので、「他プレイヤーとの絡み」を意識すると、もっと楽しく遊べると思う。今度からは、行政官の使い方、カードを取るタイミング、キャラバンへ荷物を送る順……など、他プレイヤーの手を動向をもっとよく見ながら遊ぶように気をつけるつもり。
  • Pizza Box Football:1-4回/2人

http://www.boardgamegeek.com/game/17851

 本日の最注目タイトル。手に入れてから1年近く、ようやくプレイ機会に恵まれた。
 メカニクスは、非常にシンプル。D#がプレイを選択し、O#がプレイを選択し、その結果をダイスロールで決める、というものだ。プレイの種類や選ぶチームによって多少処理の違いはあるけれど、基本はこれだけ。古き良き時代のメカニクスといえる。もちろん、古いから悪い、というわけではなく、シンプルな分、テンポ良く遊べるという良さもある。
 今回は二人ともNFL自体は知っているため、ルール説明は実に簡単に終わった。このスポーツに独特のターミノロジーを理解している同士だと、早い。さっそく、練習用でもある「Red Zone Shoot Out」で遊び始めた。

 ……何かが違う。遊ぶ回数が1、2と増えるごとに、変な空気が二人の間を流れ始める。Expansion Kitに入っているNYGとSEAのチームデータを使って2回遊んでも、違和感は消えない。
 正直に言おう、このゲーム、ちっとも面白くなかった。私とO氏の二人にしては珍しく、最後まで遊ぶことなく終了。うーん、残念だ。

 Pizza Box Footballが面白くなかった原因は、ひとえに遊んだ我々二人にある。二人とも、NFLのルールや戦略/作戦/戦術はある程度理解している。ドライブという単語はわかるし、ブリッツという言葉に注釈はいらないし、タンパ2を改良したCHI D#ではアーラッカーがミドルSとも言える位置に下がるから実質的には3ディープだ……なんてことをわかった風に話せたりもする。で、同時に二人ともアナログボードゲームはある程度の数をこなしてきた。処理が煩雑なものでもあまり苦にしないし、アクションなどの短時間ゲームも好きだ。
 Pizza Box Footballは、こうしたバックグランドを持つ人間には向かない。各プレイの処理はデフォルメされていて、採った戦術によって結果が細かく変わるわけではない。また、プレイのテンポを重視した作りのため、プレイヤーの選択肢(作戦や戦術)は少ない。となると、我々に満足できるポイントはないわけで、面白くないのは当たり前だ。ゲームそのものではなく、このタイトルを選んだ私たちが悪いのだろう。

 まとめると。Pizza Box Footballは、「アメリカンフットボール(特にNFL)のルールは、ある程度知っている」「テレビで試合を見るとき、解説なしで状況が把握できる」「アナログボードゲームは、あんまり遊んだことがない」という条件を満たす人に向くタイトルだ。販売されたアメリカでは、こうした層の人が非常に多いと思う。なので、毎年拡張カードが出るくらい人気なのだろう。一方、日本ではこの条件を満たす人は少ないはずだ。こんなタイトルをわざわざ海外から通販で買うなんてことをする人は、相当なNFL and/or ボードゲームフリークのはず。そういう人にはあまり向かないと思う。

 というわけで、某りーぐの皆さん。このゲームはダメです。やると後悔します。怖いもの見たさでやってみるのは構いませんが、私はルール説明だけで。要注意。
  • 頭脳絶好調ミニ(Einfach Genial ReiseEdition fur Zwei):5-6回目

http://www.gamers-jp.com/playgame/db_gamea.php?game_id=2219

 2タイトル連続で外せないので、二人ともお気に入りのコレを出す。アブストラクトゲームとしては、かなりの傑作だと、何度やっても思う。もしかしたら、R.Kniziaの代表作はモダンアート、チグリス&ユーフラテスと並んでコレなのかもしれない。
  • ミケリノス(Mykerinos):初プレイ/2人

http://www.gamers-jp.com/playgame/db_gamea.php?game_id=2178

 ちょっと気分が落ち着いたので、初挑戦のコレを。イスファハンと同じYstari Gamesのタイトルで、ケイラス嫌いの私が発表当時敬遠していたもの。イスファハンで、このメーカーへの評価が上がり、手に入れてみた。

 ゲームメカニクスは、対象が複数ある陣取り+セットコレクション。遺跡に人を送り込んで調査し、手に入れた遺物を展覧会で発表し、名声を獲得する……という仕組みだ。遺跡発掘と展覧会の場所取りのどちらに注力するかというジレンマがある。さらに、特殊能力が使えるようになるパトロンの獲得という要素が絡み、プレイヤーが取り得る作戦の幅を広げようとしている。

 概要を聞くと面倒なように思えるが、手番にできることはシンプルなので、手順を覚える敷居の高さはない。ただ、戦略/作戦/戦術に工夫の余地が大きくあるため、考え出すときりがない。しかも、適当にやっていては、勝てないタイプのゲーム。実は頭をかなり使うし、経験がものを言うタイプ。
 また、非常にドライ(このブログ中では、ゲームの仕組みが前面に押し出されていて、テーマなどでの味付けが薄いことをいう)なタイトルなので、表面上は淡々とした展開になるのはインパクトに欠けるところ。

 とか何とかいいながら、初プレイの2人でやってみた。結果は……3人以上で遊んで、もう一度再評価したいということになった。2人だと「中立プレイヤー」駒が渡されるのだけれど、これの使い方が今ひとつわからなかったからだ。できれば最大人数の4人で遊んで、きちんと評価したいところ。タイミングがあえば、次回のゲーム会で出してみたい。
 個人的には、気に入ったんだけどね。
  • ジンラミー(Gin Rummy):4回目/2人:敗戦
  • バックギャモン(Back Gammon):6回目/2人:敗戦
  • マンカラ(Manquala):5回目/2人:勝利
 伝統的な2人用ゲームもいくつかやってみたい、という私の希望で。どれも面白かったが、マンカラを除いてはすべて負け。カウンティングとか、定跡を覚えるのとか、相変わらず苦手。うーん。。。
  • Marvin Marvel's Marverous Marble Machine:1-2回目/2人

http://www.boardgamegeek.com/game/18966

 本日最後はコレを。簡単に言うとテレビ番組の「ピタゴラスイッチ」のような機械をテーマにしたタイトルで、アナログボードゲームだと「みんなで遊ぼう! めざマシーン」、コンピュータゲームだと「Incredible Machine」と同じ感じだ。また未見の「マウストラップ」も、似ているかも。
 六角形のマスで構成されたボード。その中央から、マーブルが自動的に発射される。外からの力が働かない限り、マーブルは等速直線運動をする(力学の第一原則)。そこでプレイヤーは、マーブルの行く手にさまざまなパーツを置き、自分のところに回収することを目指す。
 パーツには「左回転」「反転」「ジャンプ」などがあり、その場所に入ったマーブルに対して力を及ぼす。パーツ自体を移動したり、除去する効果を持つパーツもあり(ややこしい?)、組み合わせ方によっていろいろなことができる。

 最初の一戦は、ルールを読みながらの手探り状態。あーでもない、こーでもない、と、お互いがお互いの最善手を探し合っての協力プレイだ。手番の綾でO氏が勝利した。いやぁ、これは実に面白い、と第二戦へ突入。
 二戦目は、お互い本気モード。互いのパーツが持つ効果を邪魔し合うような位置に、自分のパーツを置いていく。序盤は何とか思考が追いついていったものの、徐々に解析能力に優れたO氏に引き離されていく。最後は、13対7というほぼダブルスコアで敗戦。いつか雪辱したい(無理かな)。

 ルールは比較的説明しやすく、手番での行動もわかりやすい。タイルの視認性に多少問題があることを除けば、いろいろな人と楽しく遊べそうだ。しばらく、イスファハンとセットにして、あちこちのゲーム会に持ち込んでみようか。
  • 終了後の感想など

 たっぷり遊んだ一日だった。懸案のタイトル、あといくつかあるので、また今度遊びたい。よろしくどうぞ>O氏。