袋小路の特別例会に参加

池袋で開催されている『ゲームサークル袋小路』の特別例会に参加してきた。この日のテーマは、重たいゲーム。もちろん、質量のことではなく、遊ぶのに数時間かかる「頭への負荷が高い」ゲームのこと。相変わらずマイブームの「18xx系」を遊ぶべく、1830、1861、1890、18??を持参して参加した。

  • 1830(1830):4回目/6人
 事前の調整で、「18xx系は、ほぼ初めて」という方を対象にした卓を作ることになり、まずはそちらへ参加。1830を題材に、ルールの説明+習熟プレイを実施した。初プレイ/初対面の方が多い構成だったので、公共会社設立に向けた相乗り交渉はあまりおきず、ゆっくりとした展開。2SR手前に中断を挟むといったこともあり、ルール説明の開始から終了まで6時間かかった。
 いろいろなところで最適のタイミングを外してしまったこともあり、最後はD列車が購入できずにプレイヤー破産。終了時の個人資産総計は10ドルと、圧倒的な最下位に終わる。勝者は初プレイの月斎さん。公共会社の経営権をほとんど持たず、副社長プレイに徹しての勝ち。その打ち筋には、見習うべき点が多かった。さすが、ストーンRさん宅でのゲーム会で修行されてきたことはある。
  • 18EU(18EU):3回目/5人:1位(銀行破産で終了)
 1830の次は、atogさんの持参して下さったこのタイトルを。お相手は、atogさん、PHYさん、taroさん、ヴァイスさん。あれ? ここはどこ(^^;;

 Priorityマーカーは私の前にある。そこで、早めの公共会社設立を狙うことにし、序盤からある程度(高すぎても、他の方に警戒されるので)の収益を生み出し、かつ、路線接続がしやすいMinor Companyを押さえることに注力した。結果手に入れたのは、4、9、13。マップ中心のMunichを押さえつつ、ベルリン周辺を手厚く固める布陣だ。二番手taroさんは10、11、15の南方路線。10-15のペアで南西部の、11で南東部の、イタリアへの入り口を閉めにかかる。三番手atogさんは1、5、12。高収益路線の12と、公共会社への合流を遅らせてもOKの1は魅力的。ただ、5はtaroさんとの協調が不可欠になりそう。四番手はヴァイスさん。パリを3で、ウィーンを6でそれぞれ押さえ、さらに拠点の14を持つ。五番手のPHYさんは2、6、7。マップ全域をまんべんなくカバーして、柔軟な展開を臨める陣形だ。この時点では、“使い手”PHYさんがやや有利に見えた。

 最初の2運営は、各社/各プレイヤーとも資産の蓄積に努める。Minor Companyでは「敷く線路がない」ようになってきた2ターン目の第2ORを終えると、いよいよ本タイトルの本番とも言える「運命の第三ストック」が始まった。

 私は、拠点の13をベースに「B」を設立。設立時の株価はEU100。手持ち現金のほとんどをはき出してしまうことになったが、ここで高値をつけておいたことが勝利の遠因だったかもしれない。ここでは4を合流する手もあったが、後の二社目に備えてMinorのまま温存した。
 二番手taroさんは15をベースに「黒」をEU70で、三番手atogさんは12をベースに「黄」を、それぞれ設立する。四番手ヴァイスさんは、14をベースに「赤」、さらに五番手のPHYさんが7をベースに「FS」を作る。ここで私の手番。うーん、とうなり、長考に入ってしまった。ベルリンが本拠地の「FS」に、同じくベルリンに基盤を置く9を合流するかどうかで、悩んでしまったのだ。さんざん悩んだあげく、最終的には乗らないことに決定。路線の将来性や収益の見通し、さらにPHYさんの手腕を考えると、ここは乗っておくべきだったかもしれない。
 これで一段落か、と思ったら、ヴァイスさんが意外な行動に出た。すでに設立した「赤」の他に、6をベースとした「青」も設立。一気に二社体制を築き上げる。早いうちから公共会社によるタイル置き換えを効率的に進め、優位を築く作戦のようだ。これまで二回のプレイ経験からは、思いつかなかった作戦で、脅威を感じた。確かに、ゲーム中に登場する公共会社は8社で、5人プレイでは全員に二社ずつ渡るわけではない。会社間の資金/列車移動や、二社共同での線路敷設効率アップを考えると、有効な作戦のように思える。今後の検討課題にしたい。
 ……と、最初から冷静に分析できたわけではなく、その場はちょっと焦った。ただ、ヴァイスさんが「青」設立に向けた株券購入を進めたため、次のPriorityは私の前のPHYさんになった。順番から考えると、私にも公共会社が“残る”はずなので、一安心。次のSRで設立できるような路線配置/資金確保を目指さなくては。

 続く運営ラウンド、痛恨のミス。次のSRで4、9を合併して公共会社を設立するには、両社の路線が接続している必要がある。ところが、Minor Companyではタイル置換ができない。また、先に設立した「B」の能力でタイルを置換しようとしても、4そのもののトークンが邪魔をしてしまう。け゛け゛。この時点では、最下位に沈むことも意識した。

 そして、4SR。PHYさんは「黒2」を設立する。私も「水」の設立は確定だが、さて、どちらをベースにするか。散々悩んだ末に、5列車が見えていたこともあって、9をベースにした設立とした。最終合併ラウンドまでにタイル置換が間に合えばよいのだが。。。

 第4ターンの運行は、今回もっとも緊張した局面だった。4の合併候補のうち、「B」は残り株がほとんどない。下手をすると、4はそのまま閉鎖or他プレイヤーの会社へ合併、ということになる。もう一方の「水」は、残株数は多いものの、路線がつながっていない。もちろん、タイル敷設が順調にいけばOKだけれど、1枚でも他プレイヤーに“望まない形で”変換されればアウト。祈るような気持ちで、盤面を見つめる。

 ……願いは叶えられた。

 最終合流ラウンドで「水」に4を無事合併し、二社体制を確立。あとは高めの株価を保つ「B」を配当会社にして配当を続け、「水」で資金/列車調整すればOKだ。5列車購入時にEU100ほど足りず焦ったが、atogさんが株を買い増してくれたので「B」は安泰。もう一方の「水」も、taroさんが相乗りしてくれたおかげで資本金の不安はほぼなし(それでも8列車購入時に、EU25を手出しにしたが)。5列車×2の「B」と、8列車を持つ「水」をそこそこ走らせて、終盤を待つ。

 ただ、PHYさんの「FS」や、atogさんの「黄」が連続して高収益をたたき出すようになったため、最後までどうなるかわからなかった。事実、ランニングゲームで終了した後の最終計算では、atogさんに現金でEU500近くの差をつけられている。それでも、今回最高値となった「B」社の株を数多く所有していたことが奏功し、最終的にはEU5,045で勝利。2位は驚異的な追い上げを見せたPHYさんのEU4,859、3位はatogさんでEU4,698となった。公共会社2社体制を早く築いたヴァイスさんは、他プレイヤーからの株価操作もあってEU4,533。パリからハンブルグを経由し、ミュンヘンストラスブール、リヨン、ローマまでという長大路線を築き上げたtaroさんはEU4,373という結果。

 今回は“勝たせてもらった”感じが強い一戦だった。atogさんの「黄」が2回のORで無配になっていなかったら、PHYさんが半配当を1回に押さえていたら、ヴァイスさんの「赤」株の価格を下げておかなかったら、taroさんの長大路線があと2OR早く運行を開始していたら……などなど、不安定な綱渡りで進めていたことは間違いない。もう少し、序盤から安定した経営ができるようになりたいものだ。
  • 終了後の感想など
 1830卓の方は、反省しきり。ルール説明への習熟度が低いこと、外野からの“ブロック”など、初対面/初プレイの方に役立つような個人スキルのレベルアップをはかりたいところ。
 18EUは、やればやるほどその魅力を感じるタイトルだということを再認識。1830とは違い、公共会社の本拠地は決まっておらず、各Minor Companyの価値も「他に何を持っているか」「他プレイヤーはどこを取ったか」「どういう順番で取ったか」で激変するため、プレイ展開のバリエーションが広い。序盤から終盤まで、まったく気が抜けないタイトルだ。前回のエントリーで「序盤から会社経営が体験できる、良質な鉄道会社運営ゲーム」だと書いたが、今回もその思いを強くした。一つ弱点を挙げるとしたら、「もっと時間が必要」なことだろうか。自社の最大収益路線を確定するのには時間がかかるので、慌ててやると間違える場合も多そう。あえて早回しを意識せず、このタイトルだけの1日、のような時間設定で遊んでみたい気がする。まぁ、そうなるとまぎれも少なくなるので、より疲れそうなのだが。。。
 ともあれ、皆さんお疲れ様でした。またよろしくお願いします。