Wizardryの話・その3

(承前)
『Return of Werdna(以下、#4)』をクリアして後は、しばらくPCゲームから離れる日々が続いた。根を詰めた作業を長期間続けたためか、もうお腹一杯という感じになってしまったからだ。ほとぼりがさめたころに期待の新作として登場した『The Heart of Maelstrom(#5)』もやってはみたが、「マップが無意味に広い」「レアアイテムを必ず手に入れる方法がある」「NPCとの会話がある」「ストーリーの重視」といった点が心の琴線に触れず、10日ほど遊んで放り投げてしまった。
もともと、私はゲームにストーリー性を求める方ではなく、グラフィックやサウンドも重視しない。したがって#5で強調された物語を貫くストーリーは、単に「邪魔なもの」と感じてしまった。また、NPCとの会話によってヒントを得ていくのも面倒に感じてしまい、結果、Wizardryそのものから気持ちが離れていったのである。


Wizardry離れが決定的なものとなったのは、次の作品『The Bane of Cosmic Forge(以下、BCF)』を遊んでからだ。当時の仕事の関係もあって半ば強制されたプレイをすることになったのも、のめり込めなかった理由の一つだ。だが、最大の理由は「あまりにも#1〜#5と違う」ことにあった。システムのほぼすべてに変更が加えられた結果、BCFは「Wizardryの後継」ではなく、「Might and Maficの劣化コピー」になってしまったように感じられた。中には「Muramasa Blade[!]を入手するには、Muramasa Blade[!]で武装したHayato Daikutaを倒せばよい/倒さねばならない」という、実にスマートなシステム変更も見られたが、そういったことはごく一部。全体としてはあまり良い出来だと思えなかった。ストーリーもしかりで、エンディングで地球外生命体の関与が語られるに至り、気持ちは完全にしらけてしまった。


そんなわけで、BCFこそエンディングを見たものの、続く『Curusaders of the Dark Servant(以下、CDS)』は入手もせず、未だにプレイしたことがない。もうパソコンでのWizardryを遊ぶことはないだろうな、というのが、当時の感想だ。


もちろん、Wizardryそのものに飽きてしまったわけではなく、アスキーがリリースした一連の『外伝シリーズ』は遊んでいる。外伝、外伝II、外伝IIIまではゲームボーイ購入動機になるキラーコンテンツだったし、スーパーファミコンでリリースされた外伝IV、プレイステーション版の『Wizardry 〜 Dingil』もプレイしている。これらの作品は、ある程度のストーリー性を加味しながらも#1〜#3のテンポや雰囲気を損ねていないからだ。


外伝シリーズのリリースが途絶えると、新作Wizardryを遊ぶ機会は激減した。スターフィッシュの『エンパイアシリーズ』は一通り手には入れたが遊び込むには至らず、『サマナー』はあまりの出来の悪さに失笑して封印、『アスタリスク』は学園ものという設定に違和感を感じて未入手のままだ。ああ、もうWizardryは過去の話なのか。


そんな風に思っているときに、期待のソフトが登場した。アトラスの手になる『Wizardry Alternative 〜 BUSIN』である。


……続きは、また明日にでも。