一瞬の風になれ 第一部−イチニツイテ−(佐藤多佳子):講談社

一瞬の風になれセット
一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-
外出先で立ち寄った書店で、三巻セットを発見。つい購入してしまった。帰路の車中で、第一部を読む。
誤解を恐れずに言うと、佐藤多佳子の一連の著作には『魔法の国ザンス』シリーズとの共通点を色濃く感じる。自分に欠けているものを自覚し、欠如に対するコンプレックスを持っている主人公。圧倒的な力や才能を見せつける周辺の登場人物がいて、欠如感の大きさが際だつという序盤。
物語には、主人公と同様の悩みを抱える他の登場人物が現れ、主人公は彼/彼女たちと共にある課題に挑戦して乗り越えていく。その課程で、主人公は「欠けていると感じていたもの」に変わる「自分だけが持っている重要なもの」の存在に気づく……。
今のところ、本書は第一部しか読んでいないので本当にそうかどうかはわからない。ただ、この時点でも『しゃべれども、しゃべれども』や『サマータイム』、『黄色い目の魚』と通底するものは感じた。
残りの二冊、明日には読み終わるかな。