ショートタイム版・スタートレーダー(Star Trader-Short Time Version):対戦までの経緯

かつて、SPIでは二種類の雑誌を定期刊行していた。一つはウォーゲーム/シミュレーションをテーマにした『Strategy & Tactics』、もう一つがSF/Fをテーマにした『Ares』だ。SPIが無くなった後、前者は版元を変更して刊行が続いている。しかし『Ares』は、そのまま廃刊。幻の雑誌となっている。
その『Ares』の、第12号。付録ゲームとしてついていたのが『Star Trader』だ。コンポーネントの制約(フルマップ1枚+カウンター200個)があるにも関わらず、宇宙を舞台にした取引/交易をあますところなく表現した好ゲームとして知られている。
同人誌時代のゲームジャーナルで連載していた『B級SFゲーム分科会出張所』で、このタイトル(を含めた『Ares』の付録ゲーム群)の紹介を拝見したのは2004年の後半。当時は、時代の空白を埋めるべくオークションなどで古いゲーム誌を多数買いあさっていた。その中でも、特に印象に残ったのがこのときの記事、そして『Star Trader』だった。
これは、入手するしかない。そう思ってオークションで手に入れたのが2005年の夏。ルールを読んでみると、意外なモンスターゲームであることが判明した。ゲームに盛り込まれた内容は意外なほど多く、まさにガジェットの宝庫。あらゆることができそうな反面、プレイの敷居が高そうに感じたのである。以降、何度も遊んでみたいと思いつつ、なかなか機会がなかった。
そんな状態で迎えた2007年11月、bqsfgameさんの日記で『Short Time版Star Trader(STST)』のコンセプトが紹介された。交易ゲームとしての切り口を重視し、さらにゲーム全体にストーリー性を持たせ、しかもプレイアビリティは上がるという。何日かに分割して公開された記事を、毎日楽しく読む日が続いた。
そして、11月の終わり。一之江ゲームクラブの例会案内でbqsfgameさんがSTSTの対戦者を募集していることを知り、一も二もなく応募。残念ながらそのときはタイミングが合わずに実際の対戦は実現しなかったが、2008年の対戦を約束して頂けた。
最初の“出会い”から丸3年。ようやく、初プレイに臨むことができた。もうこれだけで、一つのゲームを遊んだ気分。