第四回セッション(リプレイ・その14)

興味のある方はどうぞ。
今回は、アフターミッション分を一度にまとめてアップします。



サザエさん


ウェリントンへ帰還したパーティは、今後の方針を話し合った。「ともかく、まずは報告だろう」というアルハイムの提案にしたがい、聖カスバード教会へ赴くことに。「でも、バラムの死体はどうするの?(マイエラ)」「それもそうだ(クナルト)」。パーティは二手に分かれ、マイエラとドルムが教会へ、残りの3人は帆船に残ることになった。


「なるほど、お疲れさまでした。ところで、私たちがお願いした情報はどうなりましたか?」と、マチルダが聞く。「あーっ!!」と叫ぶマイエラとドルム。「忘れてたっ!」「遺品を調べてみなくてはな」。行った道を戻る二人連れ。


バラムの遺品となったパイプを調べてみると、中か小さな紙片が姿を現した。紙片には、どこかの地図が描かれている。「俺に見せてみろ。地理については詳しいんだ」「で、わかったの、クナルト?」「……いや」「やっぱり、クナルトの“任せろ”はあてになりませんねぇ」。


船の帆を切り裂き、木炭で地図の様子を写す。その上で、紙片はマチルダに渡すことになった。「じゃあ、もう一回行ってくるわ」。

■聖槍:イズメイの牙


紙片を見るなり、マチルダは目を輝かせ「まさにこれこそが、私たちの求めていたものです。ありがとう」と感謝の念を表す。「で、それはどこなの?」とマイエラが聞くと、さっと表情を引き締めて「それは言えません」と一言。「ケチねぇ」「まったくだ」。


地図の場所については答えることを拒否したマチルダだったが、“イズメイの牙”については答えてくれた。彼女曰く「“イズメイ”は、伝説の聖人、オルランドの盟友です。ヘクストアの支配する“帝国”に、オルランドと共に立ち向かいました。しかし、ヘクストアに使わされた邪竜カーソンと戦い、その命を落としたのです。イズメイの牙は、その死後に残された鱗と牙から作り出した槍のこと。あなた方も知っている聖剣イリュードと同じく、オルランドの遺品としてこの世に残されたものです」。


マイエラ:牙? 鱗? イズメイって何だったの?
チルダ:カッパードラゴンです。メタリック・ドラゴンの一族であるイズメイは、帝国の支配に抵抗したオルランドに手を貸してくれたのです。
ドルム:その聖槍を、バラムが盗み出した、ということか?
チルダ:そうです。
マイエラ:いま必要なの?
チルダ:ヘクストアの支配に対抗した時、共に戦った国はいくつかあります。そのうちの一つが、南の新帝国アケローンです。いま、かつての盟友関係は崩れ、フェイとアケローンの間で戦端が開かれつつあります。
ドルム:フェイが勝つために、イズメイの牙が必要と言うことか?
チルダ:いいえ、私たち“オルランド代理人”は、この争いを止めたいと考えています。フェイとアケローンが戦うことは、得策ではありませんから。しかし、オーベルトを初めとする主戦派は、聖オルランドの遺物を戦いの道具に使おうと考えています。私たちはそれを止めたいのです。
マイエラ:なるほど、話はわかったわ。
チルダ:ありがとうございます。私たち「ハマー・オブ・ライト」から、あらためて正式にお願いいたします。この無益な争いを止めるために、あなた方の力を今後も貸して欲しいのです。いかがでしょうか。
ドルム:即断はできかねるな。話の全貌が見えないからな。
チルダ:そうおっしゃるのも無理はありませんね。確かに、今回お願いしたことは、こちらの手違いであなた方に大きな迷惑をおかけしましたから。。。
マイエラ:手違い? アドラムのこと?
チルダ:そうです。もともと、私たちはギャレッドを先行して潜入させ、後からアドラムを送り込んで脱出に関する具体的な情報を伝えるつもりでした。しかし、本物のアドラムは殺害され、ギャレッドは脱出の具体的な手筈については何も知らない状態で、あなた方と同行することになったのです。
マイエラ:なるほどね。だからアドラムが裏切ったとき、ギャレッドが驚いたんだ。
チルダ:そうです。誰が本物のアドラムを殺めたのか、いま調査していますが……。
マイエラ:わかった。この後、あなた達に協力するかどうかは、みんなと相談して結論を出すわ。“手違い”が起きても困るしね。
チルダ:そうですか……。良い返事を頂けるものと、期待しています。

■テレッテ(しつこい)


長く厳しい任務を体験することで、パーティメンバーの実力は高まった。そう、待ちに待ったレベルアップだ。それぞれ、次のような変化があった。

  • アルハイム:HPは6→7、特技として《抵抗破り》を修得。新たな呪文として、サモン・モンスター・II、スコーチング・レイの二つを覚える。「ヒットポイントがきついなぁ」。
  • ドルム:HPは22→33、特技の《薙ぎ払い強化》を修得。「体力は順調に上がってるな。特技のおかげで、一度に複数の敵を何とかできるようになりそうだ」。
  • クナルト:HPは18→23、特技は《持久力》。「そろそろきつくなってきた。軽装のままいくか、重装備ができるようにするか……。悩みどころだな」。
  • マイエラ:HPは7→8。「ダイスが腐ってる。もーっ、カンベンしてっ!」。特技として修得したのは《近距離射撃》。「前衛に出るのは諦めるわ。後衛からのサポートに専念するからね」。
  • ズーブ:HPは14→22。「お、クナルトと変わらなくなってきましたね(ニッコリ)」。特技として選んだのは《呪文熟練:召喚術》。「呪文、いろいろ使えるようになりましたよ」。


チルダからの報酬は、1,500GP。「へへ、アタシの交渉がうまくいったからね(マイエラ)」「ワシの分ももらえるとは思わなかったな(ドルム)」。
思ったよりも金額は多かったが、今後のことを考えて節約に努めた。自前の装備がなかったドルムの武器/防具購入に250GPほど使った他は、各自の支出はほとんどなし。1,400GPほど残ったパーティ資産の一部を宝石(800GPの価値)に変換し、残りの600GPを5等分して各自が保管することになった。「キュア・ライト・ウーンズのワンド、売ってないんだもんなぁ(クナルト)」。


もちろん、武装自体は変わっていなくても、各自の能力は高まっている。技能や特技も少しずつ充実してきた。さらに、アルハイムとズーブは2レベル呪文を修得。パーティ全体の総合力は、かなり高まったと言えるだろう。「まぁ、でも、得た力を使いこなせるかどうかが問題だけどな(アルハイム)」。確かに。


(第四回目セッション・リプレイ アフターミッション編・了)