PQ-17の話

先日遊んだタイトルの話題。


『PQ-17』は、GMT Gamesがリリースしたウォーゲーム/シミュレーションの最新作。1941〜1943年にかけて北海/バレンツ海で繰り返された通商破壊戦をテーマにしている。二人専用のゲームで、一人が連合軍側(イギリス軍、ソ連軍、アメリカ軍)を、も一人がドイツ軍を担当する。ゲーム中の主な目標は、「ソ連への援助物資を積載した輸送船をソ連領の港に入港させること(連合軍側)」、「輸送船を攻撃し、援助物資を失わせること(ドイツ軍側)」だ。艦艇の数は多く、戦力は充実している連合軍側には、非武装に近い状態で足が遅い輸送船団という弱点がある。一方のドイツ軍は水上艦艇が少ないため、ゲリラ戦に近い対応が要求される。どちらを担当しても、なかなか難しい。


敵との邂逅が勝敗を決める海戦をテーマにしているので、互いの艦隊はすべて木製のブロックで表す。相手には非公開の戦力ディスプレイに艦艇ユニットを配置して艦隊を編成し、個々の艦隊がどこにいるかを限定的な情報で表現する。さらにダミーブロックも用意してある。どちらの陣営も扱うブロックは少ないが、どんな艦艇をどのように編成するかには悩むだろう。ちなみに、航空戦力を表すユニットは完全公開情報だ。


『PQ-17』には複数のシナリオが用意してある。一つのシナリオは、一回の作戦を表現する。シナリオごとに輸送船団の目的地や戦力が異なるため、同じ陣営を受け持っても個別の対応が必要だ。さらに、複数のシナリオを順番に遊んでいくキャンペーンも用意してある。勝利得点の獲得方法がシナリオとは違っているし、艦艇の補充や修復などの要素も加わっているので、とてもやりがいがありそうだ。


と、要素を並べていくと面白そうなゲームなのだが、問題が一つ。ルールブックが非常にわかりづらい。一つの事柄について複数箇所に分けて書いてあるので、ゲーム中のルール参照回数がとても多くなる。また、やたらにチャートが多く、処理のたびに違う部分を参照しなければならないのも面倒だ。もう少し何とかならなかったのか、というのが正直な感想。デザイナーというより、ルールエディターやディベロッパーの問題か。


そんなルールブックであったこと、初対戦だったことも勘案して、先日はお試しとして『シナリオ2:PQ-17』を遊ばせてもらった。セットアップの面倒さにも困らされた。老眼にはつらいよ。
ただ、ゲームを始めて数ターン遊んでみると、処理になれたこともあって徐々に面白くなってきた。すべてを守る必要がある連合軍、どこかで勝負に出る必要があるドイツ軍、どちらを受け持っても頭をフル回転させることが必要で、心理戦も含めた駆け引きがいい。



まだまだ慣れておらず、戦略や戦術を語れる段階ではないけれど、しばらくはずっと遊んでみたい気がする。まずは同じシナリオのドイツ側を受け持って、両陣営の考え方の違いを知るところから、かな。