平日ウォーゲーム会

一味さんと、以前からの懸案事項だった『Shifting Sands』を。

■Shifting Sands/初プレイ/2人/途中終了/410分(10ターン終了まで)■

私の事情により、予定時間より遅く始まり、最後まで遊べずに終了。せっかくお越し頂いた一味さんには申し訳ないことになってしまった。ごめんなさい。


気を取り直してセットアップ。部隊番号の指定もあるから大変かな、と思っていたら意外にラクだった。地図の各スペースに初期配置部隊を書いてあるから、だろうね。一味さんが連合軍、私が枢軸軍を担当して、ゲームを始める。


『Shifting Sands』は、第二次世界大戦・アフリカ戦線での戦いをテーマにしたウォーゲーム。1940年から1943年までを扱うキャンペーン級だ。同じテーマを扱う他のゲームと違うのは、主な攻防が行われた北アフリカ(エジプト〜アルジェリアまでの地中海沿岸)だけでなく、東アフリカや近東での戦いも一つの戦域として扱っていること。3つの戦役間で部隊や手番などのリソースをうまく配分しないと勝てないってのは面白い。
ゲームの仕組みは、いわゆるCDS(Card Driven System)。手札から1枚カードを出してOPs(作戦ポイント)かイベントとして使う、というヤツ。旅団長に遊ばせてもらった『Path of Glory』とほとんど同じルールで、いくつかの違いを抑えておけば“1つルールを覚えると両方できる”かもしれない。


さて、1940年から戦いがスタート。初期配置の枢軸軍は、ほぼイタリア軍のみ。部隊数はそれなりにあるけれど、個々の部隊の戦力は低い。攻勢をかける余裕はあまりないように見えたので、連合軍をうまく止めるための防衛ラインを引くことに注力する。



それでも包囲されるTobruk要塞。


連合軍は東アフリカと北アフリカで攻勢に出る。前者は枢軸軍にとって部隊補充が厳しい場所。初期配置の部隊+αを掃討してしまえば、連合軍は余剰兵力を抽出できる。それを近東や北アフリカに持ち込んで戦力の優越を作り、枢軸軍を押し込んでいく、というのがうまい戦い方のようだ。
枢軸軍としては東アフリカと近東で粘って兵力を拘置し、北アフリカで優位に立ち続けるようにしたい。とはいえ、イタリア軍だけだと難しい。そこで頼りにしたいのが、同盟国であるドイツ軍だ。



頼れる指揮官、ドイツのRommelの登場。


1941年にRommelが登場してから、北アフリカの戦局が動く。強力なドイツ軍の装甲部隊で戦線を補強し、連合軍の戦車部隊による突破行動を阻止に出た。これにより、Tobrukよりやや西のラインで北アフリカ戦線は膠着状態に。どちらも先手を取って攻められない。
そうなると、連合軍としては他戦域に活路を見いだす必要がある。一味さんは東アフリカを鎮圧し、続いて近東での構成を展開した。



Near Eastの危機。


近東では、枢軸軍ができることはほとんどない。北アフリカは膠着しているし、東アフリカでの戦闘はほぼ終わった。となると、手番に余裕ができる。手札をOPsに使う必然性は薄れ、イベントとして消化する機会が増えた。
『Shifting Sands』のイベントは、単独で発動できるものと、あらかじめ別のイベントを発生させておかないと発動できないものの2種類がある。『Malta Victorious』などが後者の例だ。前提条件が厳しいイベントは、その分だけ効果も大きい。枢軸軍はシシリー島への空挺作戦(ヘラクレス作戦)の実施を狙い、イベントカードを出していく。



Operation Torch。


間に合わなかった。1942年の終わり(10ターン目)に、アメリカ軍を中心とする連合軍がモロッコアルジェリア上陸作戦(Operation Torch)を発動。一気に北アフリカ戦線が崩壊の危機に……ならない(エヘへ)。枢軸軍はこの作戦を事前に察知しており、Tripoliを中心にイタリア/ドイツ軍の精強師団を配置していたからだ。あー、このあたり、後付けの知恵、だなぁ。
強力ではあるが、上陸直後の混乱で連携が取れていない連合軍に対し、枢軸軍は反撃を開始。海に追い落とす or 全部隊を補給切れに追い込む、という状況には追い込めなかったものの、“喉元刺さったトゲを太くする”程度の効果を与えることができた。
連合軍は東からの圧力をかけるのか、それとも西からの反攻か!? どうなる!? 


……というところで、諸事情によりゲームエンド。ごめんなさい。今日は時間の面で、一味さんにご迷惑をおかけしてばかりだった。反省。次はちゃんと空けます。


『Shifting Sands』、OGNですわ。キャンペーンが(恐らく)10時間以内で終わるから、1日でできるところは魅力。部隊の存続や行動に必要な“補給”の概念も、特別なユニットやルールをほとんど追加しないで表現しているように感じられるし。このゲームをご紹介して下さった皆さんと、破格の50ドルで譲ってくれたアメリカ人の方(会ったこともないけど)に感謝。


★暫定評価:すっぱい屋の梅干