【009】ファンタスティカ(Fantastiqa)

・作者:アルフ・ゼーゲルト(Alf Seegert)
・対応人数:2〜4人
・実プレイ時間:35〜73分(2人で)
・プレイ回数:11回(すべて2人プレイ)


■デッキ構築+ファンタジー=ありがち!?■

 『ファンタスティカ』は、『ドミニオン(Dominion)』で爆発的なブームになった「デッキ構築系」ゲームだ。テーマはファンタジー世界。ドラゴンやエルフが当たり前のようにいる世界で、対戦相手を出し抜きながら勝利を目指す。
 このゲームの特徴は、ボードを併用して遊ぶこと。ボード上には複数のエリアがあり、それぞれの場所で特定の行動が取れるようになっている。手札を増やしたり、新たな“クエスト”を受注して、ゲームを進めていく。指定された数のクエストをこなしたら、ゲーム終了。クエストごとに決まっている得点を合計して、もっとも多かったプレイヤーが勝ちになる。

■武器を使ってモンスターを倒していく■

 ボード上には複数のエリアがあって、各エリアを結ぶ街道が設定されている。この街道上に居座っているのが「モンスター」だ。手札に描いてある“武器”を使ってモンスターを退治することで次のエリアに進むと同時に、退治したモンスターのカードが自分のものになる。モンスターのカードにも“武器”が描いてあり、それを使ってさらに先へ、遠くへ、ということができるようになる仕組みだ。
 エリアのうち2箇所では“クエスト”が受注できる。クエストは「達成に必要な武器」のカードを手札に持ち、「指定されたエリア」を訪れることで達成できる。「○○の達成には××の武器が必要で、それは△△のモンスターを倒す必要があって……」という感じで、手札とボード上の位置を考えながら進めるわけだ。

■狭いボードを広大に感じられる■

 『ファンタスティカ』の面白さは、世界を旅している感覚が味わえるところだ。ボードは狭く、エリアは少ない。街道上のモンスターや手札の出方のバリエーションが多いため、狭いボード上が広大な世界に感じられるのだ。CRPGの小品を遊んでいるような気持ちになれるのが、とても心地よい。デッキ構築系のゲームに抵抗がなく、いろんなこと(リソース変換、など)を考えるのが好きな人なら、きっと楽しんでもらえるだろう。
 もちろん、手放しで誰にでも勧められるわけではない。対戦相手を直接攻撃する手段がいくつもあるので、自分だけの世界で楽しめる要素はないからだ。また、前の人の手番が終わってから始めて「自分が何をするか」考えられるタイプのゲームなので、人数が増えると考慮時間の長さが気になるかも知れない。そのあたりを飲み込んで遊べる人に、一度やってみてほしい。