【029】カタンの開拓者たち:カードゲーム(Die Siedler von Catan:Kartenspiel)


・作者:クラウス・トイバー(Klaus Teuber)
・対応人数:2人
・実プレイ時間:60分
・プレイ回数:19回

■あの『カタン』をカードゲーム化した■

ドイツを中心にした「ユーロ系」ボードゲームは、1980年代から急速に世界中での人気が高まった。その代表的な作品の一つ、とされるのが、Klaus Teuberの『カタンの開拓者たち(Die Siedler von Catan)』である。「カタン」は(以下、長いので略)。
カタンの開拓者たちの基本的な仕組みを応用したゲームは、数多く作られてきた。『カタンの開拓者たち:カードゲーム』も、その一つ。2人専用のカードゲームとして1996年に登場した。

■さまざまな特殊施設がゲームを彩る■

このゲームでは、すべての地形がカード形式で表現されている。ゲーム開始時、プレイヤーは2枚の開拓村カードと、資源が産出できる土地カードを6枚持ち、ルールに従って配置する。手番になったらダイスを振り、出た目に応じた資源を両プレイヤーが得て、それを活用して自分の村/都市を発展させていく。
資源の使い道は色々だ。「道」「開拓村」「新たな土地」などを作るほかに、特殊な施設を建設して村/都市の機能を拡張できる。
この「特殊な施設」の存在が、このゲームの特徴と言える部分。「港」で資源の交易(交換)ができるようにしたり、「倉庫」で盗賊の襲撃から資源を守ったり、「騎士」を雇用して武力を高めたり、などなど、さまざまな発展のさせ方ができる。特殊地形を表すカードはランダムに山札から引いて手札にするので、展開は毎回変わる。また、相手の手札を見る、といった効果を持つ特殊カードもあり、プレイヤー同士の相互干渉が起きるようにもしてある。
資源を手に入れ、うまく使って村/都市を拡張し、さらに繁栄させて……これを繰り返して、最初に12点(開拓村が1点、都市が2点、など)を獲得したプレイヤーが勝利だ。

■拡張セットもお試しあれ■

このゲームの魅力は、展開が多様なところにある。サイコロの目や山札から取るカードの内容など、ランダムな要素が多いため、毎回違う展開になる。だからとってすべて運任せでは勝てず、全体の見通しを持った上で、状況の変化に対応する柔軟性が必要になる。そのバランスを取るところが、とても面白く、楽しい。「拡大再生産系」のゲームが好きな人には、気に入ってもらえるはずだ
また、複数の拡張セットが出ていて、それらを使うことでさらに展開の幅を広げられるところもいい。中でも「Wizards & Dragons」は、ゲームの中身がガラッと変わる拡張なので、ぜひ試してほしい。