【032】ライトニング:北アフリカ(Lightning:North Africa)


・作者:ダン・ヴァーセン(Dan Verssen)
・対応人数:2人
・実プレイ時間:60〜90分
・プレイ回数:10回

■過去の名作と遜色のない面白さ?■

第二次世界大戦・ヨーロッパ戦域のうち、北アフリカ戦線での戦いを扱ったウォーゲーム。ヨーロッパ大陸での戦いと比較して“サイドショウ”扱いされることが多い北アフリカ戦線だが、ロンメルと連合軍の数度に渡る攻防など、興味深いシーソーゲームが展開された。この戦線を扱ったゲームは多く、複数の名作が誕生している。『Lightning:North Africa』も、それらの名作と遜色のない面白さを持つゲームに仕上がっている。

■カードで戦場を作り、カードの部隊で戦う■

戦いの舞台となる北アフリカ(Cailo〜Tunis)は、戦いの要衝ごとにカード化してある。これを東西方向に並べてマップを作る。プレイヤーが指揮する部隊もカード化されており、ゲーム開始時に決まった地形カードに配置する。残りのカードはよく混ぜて山札を作り、そこから決まった枚数の手札を持ってゲームスタートだ。
プレイは手番順に進める。自分の番になったら、配置している部隊ごとに1枚ずつアクションカードを出し、移動や戦闘などを行う。また、部隊のカードを手札から出して増援としたり、イベントカードを使って特別な効果を得ることもできる。
このゲームで特徴的なは、戦闘の解決方法だ。部隊を描いてあるカードを除き、他のカードには「戦闘時のオプション」が記載してある。Flanking(側面攻撃)、Encircle(包囲攻撃)、などだ。戦闘が始まったら、攻撃側のプレイヤー→防御側のプレイヤー順に「どの戦闘オプションを選ぶか」を秘密裡に選ぶ。両者の選んだ組み合わせによって、攻撃の成否と損害が決まる仕組みだ。
以上に加えて、北アフリカ戦では重要な補給/補充や、史実で戦いの帰趨を決めた『トーチ作戦』などのルールを加えて、ゲームが構成されている。

■毛色の変わったウォーゲームで遊びたい人に■

このゲームを遊んでいて一番面白いのは、先述した戦闘の部分だ。彼我の戦力とカードの状況を考えながら、次に出すカードをを決断していく。その緊張感はたまらない。そして、読みが当たった時の嬉しさ/外れたときの悔しさは格別。これが、大きな魅力だ。ウォーゲームを遊ぶことに抵抗がなく、ちょっと変わった仕組みのものが遊んでみたい、と思う人には、かなりオススメだと思う。
ただし、ルールの記述に甘い(明確に規定されていない)部分も多く見られるので、最初はプレイヤー間でルール解釈について協議をする必要がある。また、同じ作者が作った他の『Lightning』シリーズとは仕組みがずいぶん異なるため、その点にも注意は必要だ。