【045】フォーミュラ・モーター・レーシング(Fomula Motor Racing)


・作者:ライナー・クニツィア(Reiner Knizia)
・対応人数:3〜6人
・実プレイ時間:15分
・プレイ回数:不明(10回以上は遊んでいる)

原田哲也アプリリアには「レーシンゲ」と書いてあった■

『Formula Motor Racing』は、自動車レースをテーマにしたカードゲームだ。プレイヤーはチームオーナー/監督になって、所属する2台のマシンにレース中の指示を出す。1レースごとの順位により得点が入り、あらかじめ決めた回数のレースを終えたところで、最多ポイントを獲得しているプレイヤー(のチーム)が勝ちになる。

■マシン同士の「位置関係」に注目する■

レースゲームなのに、コースを表したボードがない。このゲームで重要なのは、レースに出場している各車の「位置関係」だ。AのマシンがBのマシンより前にいるのか、後ろにいるのか、全体では何位のポジションなのか、だけに注目する。
各マシンの位置関係を変えるのは、プレイヤーが手札にしているカードだ。カードには「Overtake(追い越し)」「Pit Stop(ピットストップ)」などの種類があって、それぞれ効果が決まっている。基本は各マシンの位置関係を変えるものだが、中にはいきなりレースから脱落させるカードもある。カードの効果を使えるのは、自チームのマシンのみではない。カードに描いてある「色」のマシンに、その効果を適用しなければならない(must)のだ。したがって、手札の状況によっては自チームのマシンを後方に送る羽目になることもある。
各自が手札を出して効果を適用して山札から補充……という手順を繰り返していき、山札がなくなったら最終ラップ。手札から1枚ずつカードを出してチェッカー。

■レースのスピード感が、うまく表現してある■

『Formula Motor Racing』のいいところは、モータースポーツのスピード感を再現していることだ。コースレイアウト、ライン取り、ギアチェンジといった要素は一切入っていない。「位置関係」だけに注目してカードを出していける。そのため、ゲームのテンポはかなりいい。レースの“雰囲気”は、とてもうまく出ている。レースの好きな人、中でも特に「スピード感が好きな人」には、テンポの良さがとても喜ばれると思う。
逆に、レースに含まれる諸要素を考慮し、自分の勝ち方を組み立てることが好き、という人にはまったく向かない。省略し過ぎているように感じられるからだ。それほど高価ではないゲームではあるが、気軽に「買って、試してみよう」とは勧めにくい。
私としては、このゲームかもう一つ(いつか書く)が、Reiner Kniziaの最高傑作だと思っているのだが。