【048】ユリウス・カエサル(Jurius Caesar)

・作者:グラント・ダルグリーシュジャスティン・トンプソン(Grant Dalgliesh, Justin Thompson
・対応人数:2人
・実プレイ時間:90分
・プレイ回数:14回

■Jacta alea est(賽は投げられた)■

紀元前49年から45年にかけてのローマ内戦がテーマのウォーゲーム。プレイヤーはCaesarとPompeyの役割を担い、地中海とその周辺を地域を描いた地図上で、兵力を表すブロックを動かしたり戦わせて、より多くの勝利得点の獲得を目指す。勝利得点は地図上の都市に割り当ててある。全部で13点あり、開始時はCaesarが1点、Pompeyは7点をすでに獲得した状態になっている。勝敗判定が起こった時に、10点以上を獲得しているプレイヤーがいれば勝利、だ。

■27枚のカードを使い、行動させていく■

ブロックの行動と戦力の補充を規定するのが、27枚のカードだ。このゲームでは、自陣営の部隊を行動させるのにMP(Movement Point=移動力)が必要だ。また、消耗した兵力を補充したり、新しい兵員を徴兵するにはLP(Levy Point=徴兵ポイント)を使う。このMP/LPの両方を与えてくれるのが、毎手番に1枚だけ使えるカードだ。一種のCDS(Card Driven System)とも言える。
カードの中には、『Neputune』など神話に登場する神の名前を書いたカードが7枚入っていて、それぞれ強烈な特殊効果を持つ。相手の部隊を消耗させたり、寝返らせたり、強制的移動させたり……。
27枚のうち6枚を手札にして、ゲームは始まる。一回の手番で1枚ずつ使い、5枚使ったら勝敗判定。決着がつかなかったら、また全カードをシャッフルして6枚ずつ配って……を繰り返していく。

■It's narrative !(オレも使ってみたかったんだよー)■

『Julius Caesar』で特徴的なのは、「再建したor増援で登場する部隊を新規配置できる場所が決まっている」こと。一部の部隊コマには都市名が書いてあって、その都市でしか新たに徴兵できない。強力な部隊を作るために戦力を分割して遠征させる、とか、強力な兵だけど(損害を受けて除去されると再建が難しいから)攻撃をためらう、といった悩みどころが多い。その悩みを解決する方法を考えながら進めていくと、自然と史実の展開に近づいてくる。史実を再現するために特別なルール(陰謀ルールという人も)を使わずに、うまく“物語”を再現しているところが素晴らしい、と思った。
ウォーゲームに抵抗がなく、ストーリー性の高いものを遊んでみたい、という人にはオススメ。