【016】ウルク:文明のゆりかご(Uruk:Wiege der Zivilisation)

・作者:ハンノ・クーン、ヴィルフリード・クーン(Hanno Kuhn、Wilfried Kuhn)
・対応人数:2〜4人
・実プレイ時間:50分前後(2人/3人で)
・プレイ回数:6回(4人プレイは経験なし)

■ボクの大好きな「拡大再生産系」■

ゲーム中に必要となるリソース(お金とか資源とか人とか)を少しだけ持って始め、ゲームを通じて生産や交換で少しずつ増やす。リソースが増えることで行動の選択肢が増えるので、それを駆使して最終的な勝利を目指していく。私はこういう展開になるゲームを「拡大再生産系」と呼んでいる。『Uruk』も、そんなゲームだ。
プレイヤーはある部族の長となり、その興亡を司る。長い年月が過ぎていく中で、新しい技術を開発したり建物を建設して部族の力を高め、反映させていくのが目標だ。

■技術開発を中心に進めていく■

ゲームで使うのは、さまざまな技術や建物が描いてあるカードと、資源を表す木製キューブの2種類だ。プレイヤーはカードを手札として持ち、手番では複数あるアクションからいくつかを実行する。
アクションには「手札を増やす」「手札を場に出す」「場に出たカードの効果を使う」「村や都市を建設する」などがある。条件を満たして場に出したカードは“開発済みの技術/建設済みの建物”として扱う。技術/建物には使った時の効果が描いてあって、利用するアクションを選ぶことで資源のキューブが手に入る。カードの中には場に出す/利用するために資源の消費が必要になるものなどもあるので、手持ちの資源をうまくやりくりすることが大切だ。
各自の手番を繰り返してゲームを進めていき、一定の条件を満たしたらゲーム終了。部族を最も反映させた(=村/都市の人口が多い)プレイヤーの勝ちになる。

■仕組み剥き出しの拡大再生産系ゲーム■

『Uruk』の魅力は、そのシンプルさにある。部族同士の戦闘など、プレイヤー同士が直接干渉し合うことはほとんどなく、それぞれ自分の部族をどう発展させていくかに集中できる。技術や建物の効果をどう使っていくか、という点に考えを絞れるところがいい。拡大再生産系ゲームの中では、かなりわかりやすいゲームと言える。
もちろん、難点もある。特殊効果のオンパレードと言えるゲームなので「全部のカードの中身がある程度わかってからが本番」だし、慣れないうちはソロプレイ感が強いため他者との関わりを強く求める人は物足りなく感じるだろう。よくもわるくも、ゲームの仕組みが剥き出しになっている拡大再生産系ゲームであることを考慮した上で、遊んでみてほしい。