【025】ペニーワイズ(Penny Wise)


・作者:不明(Uncredited)
・対応人数:2人以上(3〜4人を推奨)
・実プレイ時間:15分(3人/4人で)
・プレイ回数:20回

■限られた資産で生き残りを目指す■

『Penny Wise』は、Cheapus Gamesが1998年に発表したゲームだ。最初はBuisiness Card版として登場し、2000年にゲーム集『Chief Harman's Holiday Fun Pack』に収録された。この記事を書いている2013年の時点では、Cheapus GamesのWebサイトでPrint & Playゲームの一つとして無償公開されている。Board Game Geekなどには『Fight』の名称で登録されているが、基本は一緒だ。
ゲームの目標は、最後まで手持ちの資金を持ち続けることにある。開始時に渡された資金がなくなったプレイヤーから脱落していき、最後まで資金を持ち続けたプレイヤーが勝利だ。破産の恐怖におびえながら、資金をうまく運用するゲームになっている。

■手番ではコインを出すだけ!■

Penny Wiseにはさまざまな遊び方のバリエーションがある。ゲームの基本は同じで、「最初に一定の資金を持つ」「自分の手番になったら、資金の一部を使う」「最後まで資金を持っていたプレイヤーが勝ち」というもの。最初に持つ資金の量や種類に変化を加えることで、バリエーションを増やしている。私がよく遊ぶのは「1」のコインを4枚、「5」のコインを3枚、「10」を2枚、「25」を1枚、という構成。以下、この例に沿って仕組みを紹介する。
ゲームは手番制で行う。手番では中央の“場”に1枚コインを出す。これをゲーム終了まで繰り返す。場にコインを出すとき「出したコインの額面未満」までのコインを場から手元に獲得できる。たとえば、「1」「1」「1」と3番目のプレイヤーまでがコインを出すと、場の合計は「3」。ここで4番目のプレイヤーが「5」を出せば、3枚のコインを手元に持てる。場に「10」「5」「1」「1」とあって、手から「10」を出せば「5」「1」「1」を、「25」を出せばすべてのコインを、それぞれ持ってゆける。資金の総額はどんどん減っていくが、場からコインを取ることによって手数が増え、破産までの時間稼ぎができるわけだ。

■短時間、簡易、でも難しい面白ゲー■

Penny Wiseの面白さは、自分の手、他プレイヤーの手、場の状況を見定めて、いま何を出すのが最善かを考えることにある。場に「1」が2枚ある状況で、「1」を出すのか、「5」で取るのか。胃が痛くなるような決断を積み重ねて、勝利を目指すマゾヒスティックな快感を味わえるゲームだ。ちょっとした空き時間にできるので、体験してみるのも悪くないだろう。
慣れてきたら、最初の手持ち資金の組み合わせ方を変えるのも面白い。Cheapus Gamesのサイトには、手持ち資金の量がプレイヤーごとに異なるバリアント(上の写真)も紹介されているので、そちらも試してみよう。