【038】ぶたのしっぽ(Pig Tail)

(写真なし)


・作者:不明(Unknown)
・対応人数:2人以上(偶数人数で遊ぶことを強く推奨)
・実プレイ時間:15分
・プレイ回数:15回

■インストラクション? インストール? どっち?■

ボードゲーム/カードゲームを遊ぶ時に、まずしなくちゃいけないのが「ルールを知る」ことだ。自分でルールを読む、というのが基本なんだろうけど、他の人に教えてもらう、というやり方もある。私の経験している範囲だと、ユーロ系ゲームは「教える/教えてもらう」という機会が多いと感じている。
ルール説明のやり方は、人によってだいぶ違う。性格や経験など出る部分なのだろう。自分の中でルールを咀嚼・再構築して説明する人もいるし、ルールの説明書を読むだけ、という人もいる。ルールだけを説明する人も、遊び方や考え方のコツまで説明する人もいる。こういう違いを、個性と言うのだろう。「いろいろあるさ 人間だもの(みつを)」「みんなちがって みんないい(みすず)」。
私は、ルール説明は苦手だけど好きだ。自分が言ったことを一言漏らさず聞いてくれて、言った通りに行動してもらう、なんて体験は、現実の世界ではあまりないことだから。そこで、自分が持っているゲーム/遊んだことのあるゲームは、なるべく積極的に説明役を買って出ることにしている。
好き、とは言え、説明していて楽しいルールと、そうでないものがある。『Pig Tail』は前者の代表。これほど楽しいゲームはそうそうない、というのが、現時点での評価だ。

■めくるか、出すか。アウトか、セーフか■

『Pig Tail』は、プレイングカードを使って遊ぶゲームだ。一組52枚のカードをよく混ぜ、山札として中央に置いてゲームスタート。
プレイは手番順に進める。自分の番が来たら、1)山札から好きな1枚を取ってめくり、台札の上に置く 2)手札(があれば)の1枚を台札の上に置く、のどちらかを選んで行う。
そのうち、「台札と、出したカードの色or数字が一致する」ことがある。そうなったら、アウト。それまでに溜まっていた台札を全部取って手札にする。また台札がゼロの状態から再スタートだ。
これを繰り返し、山札が尽きたらゲーム終了。その時点で「手札の一番少ない人」が勝ちになる。
実に単純。ルール説明は、超絶簡単な部類に入る。

■a-ha体験、つーんですかね、これ■

Pig Tailの何が面白いのか、というと、遊んでくれる人の表情の変化。ルールを説明しただけだと、「それの何が面白いの?」という半信半疑の表情を浮かべる人がほとんど。「いいから、やってみてよ」と言ってゲームを始め、数周回った頃。遊んでいるうちの何人かの表情がパッと明るくなり、「わかった!」とか「なるほど!」という声が上がり始める。その瞬間が、たまらなく面白い。“一を聞いて十を知”ってもらった、という感覚だ。「ルールがシンプル」で「聞いただけでは面白くなさそう」なゲームだからこそ体験できる感覚だと思っている。わかってもらう、気づいてもらう体験をしたい人には、とってもオススメのゲームだ。
ただし、気づいてもらうには、複数人数で遊ぶ必要がある。奇数人数で遊ぶのは避けた方がいい。