【040】スターウォーズ:クィーンズ・ギャンビット(Star Wars:Queen's Gambit)
・作者:ロブ・ダヴィア、アラン・ローク、クレイグ・ヴァン・ネス(Rob Daviau, Alan Roach, Craig Van Ness)
・対応人数:2〜4人
・実プレイ時間:150分(2人で)
・プレイ回数:8回
■(観てない人も)大丈夫! pmnjのレビューだよ■
『Star Wars』という映画がある。全9作からなるシリーズもので、このレビューを書いている2013年の時点では、そのうち6作が公開されている。『Star Wars:Queen's Gambit』は、シリーズの第4作『スターウォーズ・エピソード1:ファントム・メナス』がテーマ……らしい。シリーズを1作も観たことがないので、このゲームが映画の世界をどのくらい再現できているかは判断できない。以後の記述は、あくまでゲームとしてどうか、という視点で書く。その点は、あらかじめ了承しておいてほしい。
■4つの戦場で、さまざまな戦い方を体験できる■
箱を開けると、ギッシリとコンポーネントが詰まっている。多くのフィギュア、複数の戦場を表したマップ、建物の構造を立体的に表すために使う支柱、などだ。セットアップには少し時間が必要だ。
Star Wars:Queen's Gambitは、2人のプレイヤーが争うウォーゲームだ。勝利条件はプレイヤーごとに複数あり、そのうち一つをどちらかが達成したらゲームが終わる。
戦いの舞台になる戦場は3つ(厳密には4つ)。部隊単位で戦う「平原」、多数のキャラクターが乱戦状態になる「パレス」、双方のメインキャラが3人で争う「コア」、防衛網の突破を目指す宇宙船の奮闘を描いた「コントロールシップ」だ。それぞれの部隊での情勢は、他の戦場にも影響を与える。たとえば、「平原」から部隊の一部を引き抜いて「パレス」に増援を送ったり、「コントロールシップ」が突破されると「平原」や「パレス」にいる一方の軍勢の部隊は動作を停止する、などだ。「使用できる場所/選べる行動」を記載したカードを使って、全体の動向を考えながら、最適と思われる戦場での行動を選ばなければならない。
戦闘は攻撃/防御側のダイスの振り合い。部隊の種類ごとに違うダイスを振り、攻撃のヒット数と、防御側が防いだヒット数を算出。一定以上のヒットを受けた部隊は、ゲームから除外する。
■ゲームとして面白けりゃいいんだよ、うん■
このゲームの凄いところは、2つある。一つは、4つの異なる戦場/戦い方を、有機的にリンクしてあることだ。言うのは簡単でも難しい「相互の影響の及ぼし方」を、うまくルールに落とし込んでいる。どちらかの陣営が一方的に有利にならないよう、バランス調整がしっかり行われたのだろう、と思わせる仕上がりだ。
もう一つは、背景の知識がなくても十分に面白いゲームにしていること。ゲームに登場するキャラクターの名前、種類などをまったく知らなくても、十分に楽しめるところは凄い、と思う。もちろん、映画を観ている人には、もっと面白いのだろうが。
スターウォーズを観た人も、観ていない人にも十分に面白く、楽しい。それがStar Wars:Queen's Gambitだ。現在ではかなり入手が難しいようだが、もし持っている人を見つけたら、無理を言ってでも遊ばせてもらおう。きっと、気に入ってもらえるはずだ。