第五回セッション(リプレイ・その5)

興味のある方はどうぞ。
間に合ってないっ!



錬金術師の火? 火炎瓶?(3日目・その2)


教会から出てきた、村人とおぼしき人々。生き残りがいた、と安堵したが、どうも様子がおかしい。10人ほどの村人のうち、3人がクラブを、2人がシックル(鎌)を、1人はダガーを構えている。話しかけても応じず、明らかに正気を失っているようだ。その状態のまま、ジリジリと間合いを詰めてくる。「さっきの婆さんと同じだな。気を抜くと、やられるぞ」。パーティも武器を構え、戦いに備える。


村人との間合いが戦闘距離まで近づいたときに、それが起こった。


「見て! 火がついてる!」「人が燃えてる!?」「錬金術師の火に似てるな」「なるほど……って、のんびりしてる場合じゃなさそうですよ」。
同時に、パーティの耳へ聞き慣れない声が飛び込んできた。「なにをボンヤリしているんだっ! こっちだ、山に向かって走れっ!」
「ん、何だいまのは」「また敵?」「どうも違うようですね」「走るのは苦手なんだがな」「言うことを聞いた方がよさそうだぞ」。言われたとおり、山に向かって走り出すパーティ。


謎の声に導かれ、パーティは村から出て山へ向かう。最初は動揺した(ように見えた)村人たちも、パーティの後を追いかけてくる。「ダメか!?」ドルムの悲鳴に似た声。しかし……村の外縁部から外に出ると、村人たちはゾロゾロと戻っていく。「何だ、いったい?」「村自体にかかってる“呪い”なのかもね」。


(続く)