平日ゲーム会(共和制ローマ、Pax Porfiriana)

最初は5人、後は4人で。とても面白い濃密な時間だっただけに疲労困憊。

共和制ローマ/Republic of Rome/初プレイ/5人/途中終了/340分■


1990年にAvalon Hillがリリースしたカードゲーム。以前は所有していたが、ルールの複雑さ(後述)もあって遊ぶところまでには至らなかった。確か、ぽちょさんにお譲りしたんじゃなかったかな。
数年前にValley Gamesから再版されたバージョンをお持ちの一味さんから「やりませんか?」とお誘いを受けて、ようやく重い腰を上げて遊ぶことに。こういうゲームはメンバーが大事。いつものごとく、旅団長、いたるさん、田村さんに声をかけて、5人ゲームで。


ゲーム内では、各プレイヤーはローマの元老院内の一派閥を率いる(影で操る)立場になる。議員や政治家を派閥に引き入れて議会内での地位を確保し、各種の官職を得ることで影響力を増し、施策によって民衆からの人気を得る。もちろん、私腹を肥やすことも重要だ。
ただ、ローマは平穏な状況にはない。プレイヤーの派閥が勢力争いや蓄財にいそしんでいる間にも、各地で反乱が起きたり、外敵が攻めてきたりする。場合によっては協力して事態に対処しないと、ローマそのものが滅んでしまう結末を迎える。


テーマを再現するためのルールは、最悪の出来と言える部類。一つ一つの規定はわかりやすいのに、順番や書き方などが拙くて見通しが悪い、というものだった。現在のルールライティング手法で構成に手を加えるだけで、だいぶわかりやすくなるはずなんだが。Valley Gamesの、良くも悪くも「見た目を替えて、中身はそのまま」というリプリントの仕方が恨めしい。ちなみに、ホビージャパンによる日本語ルールの出来も素晴らしかった。いろいろ総合すると、BGGに有志が登録してくれた再構成した英語ルールが、いちばんわかりやすい。


いろいろ言ったけど、念願の初プレイは思ったよりもスムーズに進められた。このメンバーだと、ルールの不明点を解決するまでの時間が短いからだろう。わからないところがあると、原文や英文ルールに加えて日本語ルールや各種のFAQを分担して調べたり、それでも出てこないときの協議から結論までが短時間で終わる。特別な役割を果たせない私がコーヒーを淹れたりトイレに行っている間に、だいたいの問題は解決済みになっちゃうところは素敵。


さて、展開。うろ覚えのところもあるんで、話半分で。
第1ターンは一味さんの派閥から執政官が選ばれる。弱小派閥だった私のところからも執政官が、田村さんの派閥からは神官長が、それぞれ選ばれて3人が主流派になった。ローマを襲う外敵の姿は遠く、まだ安泰。ルールの確認をしながら、サクサクと進めていった。
第2〜第3ターンは、いたるさんの派閥が蓄財に励み、他プレイヤーを資金量で圧倒する。ターンあたり15以上の収益というのは、他派閥の倍近い。その分、監察官による訴追が怖いため、官職任命の際の交渉が重要だ。このあたりから元老院内はあちこちで交渉の場が設けられ、各派閥の思惑が交錯していく。
第4ターンには、後に“暗君”と呼ばれる執政官が誕生。複数の外敵が迫っているにも関わらず、効果的な対処を行わないなど、自派閥の利益だけを考えた政権運営でローマそのものを危機的な状況に陥れる。
第5ターン。外敵による滅亡を阻止すべく、独裁官が登場し、外敵の一つを打破。しかし、ハンニバルが率いるポエニ戦争に加えてガリアからの軍勢もローマに迫る。ますますローマは苦しくなり、危機レベルも7まで上昇。放置しておくと、次のターンにローマが滅んでゲームエンド、というところまで追い込まれた。
第6ターンにも独裁官は登場した……が、あっという間に暗殺の憂き目に。神官長以外の役職をほとんど回されず、他派閥から“干されて”いた田村さんの陣営は、「ローマなんか滅んでもいいもんねー」と言いながら国内を混乱状況に陥れる。
……と、だいたいこの辺まで遊んだところで、本日は時間切れ終了になった。


感想。とても面白いゲームだった。強く、強く、再戦希望。合い言葉は「合宿で」。
ただ、これはいま遊んでいるから面白く感じるんだろうな、と思う。交渉の仕方とか、ゲーム慣れとか、そうなっていなかった1990年代当時だと、さっぱりだっただろう。


もう少し書こうかとも思ったけど、今回はこのくらいで。次戦が本番だと思うので、その後にまた。


★暫定評価:焼き鳥の盛り合わせ

■Pax Porfiriana/3〜4回目/4人/連敗/105分・142分■


残った4人でコレ。
Sierra Madre Gamesがリリースしている『Lord of Sierra Madre』をベースにしたカードゲーム。メキシコにおける勢力争いがテーマ。国内の人物や建物を派閥に取り込みつつ、最終的には国外(アメリカ)の手も借りながらディアズ大統領を打倒したプレイヤーが勝利する。


このゲームの特徴は、勝ち方が多様なこと。大きく分けて二つの勝利条件があるんだけど、そのうち一方はさらに四通りに細分化できる。自分が勝てそうな時にタイミング良く政治体制を変えて勝つ、というのが基本線だ。


今日の1回目は、いたるさんがCommandでサドンデス勝ち。2回目は最後までもつれた結果、一味さんが所持金額で勝利。後者のパターンで勝つのを見たのは初めてだったので、なかなか興味深かった(そして、最後の駆け引きでの緊張感が長く続いたのでいつもより疲労した)。


★評価:新栄の串揚げ屋で頼んだ「おまかせコース」